東芝、営業利益が前年比30%減

[東京 12日 ロイター] - 東芝は12日、2024年3月期の連結営業利益(米国基準)が前年比0.5%減の1100億円になるとの見通しを発表した。22年3月期に計上された一時的な減損は解消されるものの、今期は研究開発費や構造改革比などがかさみ、前年とほぼ同水準となった。日本産業パートナーズ(JIP)が主導する株式公開買い付け(TOB)については、予定通りに進んでいるとの見通しを明らかにした。

営業利益はIBESがまとめたアナリスト7人の予測平均値1660億円を下回った。連結売上高は同4.8%減の3兆2000億円を見込む。純利益は持分法適用会社で非上場のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)の予想値を策定できていないことから、非開示としている。

キオクシアが同日に発表した2023年3月期業績は、990億円の営業赤字(前年度は2162億円の黒字)だった。メモリー需要が落ち込み、価格が下落した。純損益も1381億円の赤字(同1059億円の黒字)に転落した。

東芝の原子力・火力の大型発電設備などを手掛けるエネルギー事業は減収減益、ビル事業は赤字を見込む。半導体事業は増収増益を見込むが、ハードディスクドライブ(HDD)は依然として厳しい市場環境が続く見通し。平田政善CFOはHDD市況について「データセンターの需要が盛り上がってほしいが、まだ(低迷が)長引く前提で作っている」と述べた。

東芝はまた、同社株を公開買い付けする予定のJIPが公開買い付け代理人としてSMBC日興証券を起用することを決定したと明らかにした。東芝はTOBについて「顧客、取引先、従業員含む様々なステークホルダーから前向きな反応をいただいた」とコメント。企業価値向上につながるとの考えのもと、JIPと協力し速やかな実現に取り組んでいくとした。

平田CFOは「他から何か頂いている話も聞いていない」と述べ、JIP案を実行させていく考えを示した。

東芝は今年3月、JIPの再建案を受け入れることを決めた。総額2兆円規模の買収により非公開化し、再建を図る。JIPは7月下旬をめどに1株4620円でTOBの開始を目指す。

東芝の株価は12日、前営業日比0.45%安の4384円で引けた。TOB価格の4620円を約5%下回っている。

23年3月期の連結営業利益は前年比30.4%減の1105億円だった。HDD市況の悪化や、品質保証関連の引当金、のれんの減損が利益を圧迫した。純利益は持分法適用会社キオクシアによる赤字も響き、同35%減の1265億円だった。

(佐古田麻優)

最終更新日:5/12(金)19:25 ロイター

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6463112

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