漁師の働き方改革「完全受注漁」

RSK山陽放送「海にも人にも優しい漁業の形」を目指し、岡山県玉野市で全く新しい漁に挑戦する夫婦がいます。「完全受注漁」と呼ばれる新たな漁業のあり方、その現場を取材しました。



■網から上がってきたのは「瀬戸内自慢の魚」たち…でも逃がします

網から上がってきたのは、生きのいいマダイです。そして、高級魚のハモにカレイなど、どれも瀬戸内で取れる自慢の魚たちです(【写真を見る】に美味しそうな魚たちの画像があります)。

(佐藤訓通記者 リポート)
「お刺身にしたら美味しそうな立派なサイズのマダイなんですが…海に返しちゃって大丈夫なんですか?」

(漁師・富永邦彦さん)
「はい、きょうは十分魚がとれたので。必要以上にとれた分は逃がします。未来に海の資源を残すために」

■未来に海の資源を残したい…「完全受注漁」とは一体?

インターネットで注文を受けた分だけの魚をとる、新たな漁のかたち「完全受注漁」です。玉野市の胸上漁協で底引き網漁を行う、富永邦彦さんです。

この日、一度の漁で取れたマダイは16匹。このうち受注した量より「余分に取れた6匹」を再び海へとリリースしました。一見すると「もったいない」と感じるかも知れませんが…。

(漁師・富永邦彦さん)
「(顧客からは)今の時代にあった食品ロスであったり、自分たちもこうやって自然界に貢献できるんだ、という声はいただいています」

■「海は男のロマン!」突然、会社員を辞め、妻の実家の漁師を継ぐ

以前は大阪で会社員をしていた富永さん。しかし、「海は男のロマン」の憧れから退職。2008年に岡山県玉野市で漁師をしていた妻・美保さんの実家に後継ぎとして弟子入りしました。市場への出荷と合わせて、個別の注文にも応じるスタイルを始めたのは7年前。去年からは市場への出荷を止め個別注文のみに対応する「完全受注漁」へと舵を切りました。

これまでと比べ、全体の漁獲量は3分の1程度に減ったものの、「仲卸を通さない消費者との直接取引」により魚の単価が上がり、結果これまでの収入を維持できていると言います。

最終更新日:4/22(土)12:09 RSK山陽放送

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6460956

その他の新着トピック