大卒内定率 5年ぶり低水準

今春卒業予定の大学生の就職内定率は、昨年12月1日時点で82・2%だったと厚生労働省と文部科学省が15日、発表した。前年同期(87・1%)からの落ち込み幅は4・9ポイントで、前回10月1日時点の7・0ポイントから縮小した。新型コロナウイルスの影響による採用選考の遅れが回復してきたとみているが、2度目の緊急事態宣言の影響を懸念する声も出ている。



 国公立24大学・私立38大学の4770人を抽出して調べた。文系の内定率は81・3%(前年同期比5・6ポイント減)、理系は86・0%(同2・1ポイント減)だった。政府の内定率調査は10月から2カ月ごとに実施しており、12月時点で全体が85%を下回ったのは、5年前の2016年卒の学生以来。

 新型コロナ禍で業況が急激に悪化した観光・交通業界や飲食業界などが、採用中止や採用数の大幅削減に踏みきっている。一方、厚労省の担当者は「特定の業種ではコロナの影響が出ているが、採用意欲は低くない」としている。少子化を背景とした人手不足などにより、ここ数年は学生優位の「売り手市場」が続いていたため、これまで採用難だった企業が積極的に募集する動きもあるという。

 ただ、再び政府の緊急事態宣言が出る事態になったことで、21年卒の最終盤での内定率の伸びや、22年卒の就活にも影響が出る恐れがある。就職情報会社ディスコの担当者は「感染拡大が長引くことで、予定していた採用を手控える企業が出てくる可能性がある」。

 東京都内の私立大の就職支援担当者は「企業は、前年の業績も踏まえて募集数を決める。22年卒以降の方が厳しくなりそうだ」と話す。(田中美保)

最終更新日:1/15(金)16:53 朝日新聞デジタル

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6382323

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