インテリア雑貨「Francfranc(フランフラン)が」好調だ。2021年9月に創業者が退任。同時に大株主だったセブン&アイ・ホールディングスが保有株式の約半数を売却し、事業継承を得意とする投資ファンドを新たな株主として迎えた。
社員の削減、オフィスの縮小、運営ブランドの閉鎖、役員報酬の減額など苦しい決断を伴う経営改革を経て、黒字化も達成。経営資源を集中したことで、ヒット商品も増えたという。
シンプルでジェンダーレスなデザインが増える現代で、窓のない地下オフィスから「かわいい」を追求し続けるFrancfrancの新たな挑戦を追った。
直近6年間の業績は以下の通り。赤字の年もあるものの、この2年間は黒字化し、売上高350億円超に対し、20億円を超える利益を出している。
2022年8月期 売上高:354億円/営業利益:33億円/純利益:26億円
2021年8月期 売上高:361億円/営業利益:40億円/純利益:22億円
2020年8月期 純損失:12億円
2019年8月期 純利益:1000万円
2018年8月期 純損失:8億円
2017年8月期 純利益:4億円
佐野さんは2005年にFrancfrancに入社し、一貫して経営企画などファイナンスを担ってきた。直前の肩書きはCFOだ。社長に抜てきされたのは、役員として最年長で会社の在籍期間も長かったこと、そして株主として迎えた投資ファンドとコミュニケーションを取るのに適任だと判断されたことなどが背景にあったという。
「過去10数年にわたって、横ばいの業績が続いてきてしまいました。今後は成長にこだわっていきたいと考えています。株主の皆さんもそれを期待して、我々新しい経営陣に任せてくれていると思うので」(佐野さん)
また経営資源をFrancfrancに集中させるため、傘下にあった「MODERN WORKS」「Master Recipe」「A LAUBE」 の3ブランドをクローズした。これらは2018年ごろから同社が運営していたが、「まだ収益化できていなかった」(佐野さん)という。
「利益的に足を引っ張っているものをどうするか? コロナ禍のタイミングで早々に決断して、経営をスリム化していきました。
その結果、会社のリソースをFrancfrancにより集中させることができて、商品の完成度が上がり、ヒット商品がたくさん出るようになったんです。
私たちのビジネスは最終的には『商品』なので、ヒット商品の打率は重要です。これは本当にいい変化でした」
商品の企画にあたっては新しいデザイナーを入れるのではなく、元からいたチームに磨きをかけたという。
最終更新日:4/5(水)21:01 BUSINESS INSIDER JAPAN