すき家3万円超 大幅賃上げの衝撃

「値上げ」と「賃上げ」の好循環は生まれるのか――。

 記録的な物価上昇を受け、「過去最高の賃上げ」や「満額回答」のラッシュとなった2023年の春闘。外食業界でも大手を中心に大幅な賃上げを打ち出す動きが相次いだ。



 ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」や天丼「てんや」を展開するロイヤルホールディングス(HD)は、2023年4月分から店長や料理長といった店舗責任者の給料を1万円増やし、7月分からは全社員の基本給を追加で1万円増額する。

今後、外食業界での賃上げの動きはさらに広がるとみられる。「すき家」などを運営する外食最大手のゼンショーホールディングスは、2023年4月の給与改定で正社員を対象に月給を平均で3万2864円(9.5%)引き上げると発表した。このうち、ベアに相当するのは2万6718円(7.72%)で、前年より2万1352円増え、過去最高額となる。

 外食最大手の大幅賃上げが業界に与えた衝撃は大きい。別の大手チェーンの担当者は「労組もなく、社員からの賃上げ圧力は感じていないが、賃上げに踏み切る日は近いだろう」と本音を漏らす。

海鮮居酒屋「磯丸水産」の運営企業の親会社で外食中堅のクリエイト・レストランツ・ホールディングス(クリレスHD)。コロナ前から傘下の飲食店で店長として働いていたAさんは2023年に入り、クリレスHDの子会社からの退職を決断した。

「コロナ禍に入ってから基本給が数%カットされ、その状態が続いていた。退職の直接的原因ではないが、親会社の(賃金に対する)方針にはずっと不満を持っていた」と打ち明ける。Aさんはオペレーションや人材教育に関する知見を買われ、知人が経営する外食企業の取締役に就任する予定だという。

最終更新日:4/2(日)5:31 東洋経済オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6458887

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