日野自動車は29日、令和5年3月期連結の業績予想を下方修正し、最終赤字が従来の550億円から1280億円に拡大すると発表した。過去最大の最終赤字で、赤字は3期連続。エンジンの排出ガスや燃費試験のデータを改竄(かいざん)していた不正に伴う顧客への燃費補償費用で約600億円の特別損失を計上する見込みとなり、赤字幅が拡大した。
日野自によると、燃費補償の対象は約20万台で、日野自のエンジン供給を受けていたトヨタ自動車の小型バス「コースター」なども含まれる。米国子会社でも原材料費の高騰などの影響で約150億円の特損を計上する見込み。
最終赤字の1280億円の中にはリコール(回収・無償修理)費用や仕入れ先への補償など374億円の損失も含まれる。日野自は昨年3月にエンジン不正を公表。昨年10月に再発防止策を発表し、社内改革に取り組んでいる。
最終更新日:3/29(水)22:24 産経新聞