いきステ低迷 後継いだ長男の策

「いきなり! ステーキ」を展開するペッパーフードサービス。
コロナ禍前の2019年から過剰出店で業績が低迷。最盛期は約500店あった「いきなり! ステーキ」の店舗数はコロナ禍も経て足元では約200店にまで縮小した。
一時は債務超過にまで陥ったものの、「ペッパーランチ」の売却や「悪魔の増資」と呼ばれる行使価額修正条項付新株予約権(MSワラント)の発行、時短協力金もあり、2021年末には自己資本比率が29%まで改善。だが前2022年12月期は営業損失15億円、最終損失19億円、期末の自己資本比率は20%と厳しい状況が続いている。

私の役割は、「永続的に発展していく企業」をつくること。そのためにはトップダウン型からボトムアップ型へ、体制を見直すことが必須だ。1つの施策を考えるときも担当者以外の人や女性スタッフを含む多様な人材、社外のコンサルにも議論に入ってもらい、広く意見を聞くようにしている。

 ――就任から半年間で、具体的に取り組んだことは? 

 直近でいうと、価格や特典の改定だ。前者については、お客様がお求めやすい商品の拡充も行い、値上げ幅も仕入れ動向の分析結果を反映するなど、従来消極的だったデータに基づく変更を行った。

――失敗が続いている新業態や海外展開など、既存事業以外での成長戦略についてはどのように考えていますか。

 新業態に関しても、前社長は「いい物は誰にでも、どこにあろうと売れる」という考え方だった。結果、ターゲットが不明確で立地分析もできていなかった空揚げ、カレー業態はすぐ撤退となった。メインターゲットをある程度絞り込むことで、物件選定や店舗開発、販促も効率的になる。今期から着手し、来期以降出店したい。

そうならないと断言できる。2020年からペッパーランチの売却や固定費の見直しで、金融機関への返済は進んできた。EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)も改善している。

 確かに直近は想定よりもコロナが長引き、撤退も年々増える中、会社の継続のために調達資金の多くを返済に回してきたことは事実だ。だが返済も進み、コロナの影響も小さくなるこの2023年というタイミングで、なんとしても業績回復、お客様にしっかり選ばれる企業に変化させなければならない。

最終更新日:3/21(火)14:18 東洋経済オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6457728

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