店員守る 名札で実名伏せる企業

店員の名札を実名からイニシャルや名字だけに変更する企業が、中国地方でじわりと増えている。交流サイト(SNS)に悪口を書き込まれたり、つきまとわれたりするなどの被害が出ているという。国もこれまで氏名記載の名札を付けていた薬剤師に対し、必ずしもフルネーム表記を求めないという対策を取っている。



 タリーズコーヒースタートラム広島店(広島市中区)の紗也香さん(31)は昨年5月、エプロンに付ける名札の表記が「紗也香」からイニシャルの「S.S.」に変わった。「不特定多数の人に名前を知られなくなって、安心感がある」と話す。

 運営するタリーズコーヒージャパン(東京)の秘書広報グループによると、店舗ではスタッフ同士が親しみやすく、団結して責任ある接客をできるようにと、下の名前の名札をつけてきた。一方で、SNSが社会に浸透する中、実名を挙げてSNSに「○○の接客態度が悪い」と書き込まれるケースも出てきた。「△△ちゃんかわいい」などと好意をほのめかす言葉が見つかったこともあった。実名を明かすことを恐れるスタッフも出てきたため、安心して働ける職場環境を整えるために名札はイニシャルにしたという。

 広島県内に複数のスーパーを構えるスパークも約3年前から漢字のフルネーム表記だった名札を、ひらがなの名字だけに変えた。店頭に立つ従業員の多くは女性という同社。人事教育部の北岡督三部長は「実名でSNSのアカウントを持っている従業員もいる。従業員のプライベートを守る必要を感じた」と話す。同じ名字の人が複数いる店は呼び分けなどに工夫しており、仕事上の影響は少ないという。

最終更新日:3/20(月)20:07 中国新聞デジタル

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6457584

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