新横浜線が開業 効果は関西にも?

首都圏で久しぶりの“大物”となる新路線「相鉄・東急新横浜線」。相模鉄道(相鉄)と東急電鉄東横線・目黒線を新横浜駅経由で結び、相互乗り入れによって神奈川県央から東京都心部へ、そして都心から新横浜へのアクセスを改善すると期待される同線が、3月18日に開業した。



 新横浜駅を発車する開業一番列車は、東急目黒線・東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道直通の各駅停車浦和美園行き。本来は東急の車両で運転するが、この日の車両は新横浜線開業、そして東急線方面乗り入れに備えて造られた相鉄の「21000系」だ。これまでは相鉄線内だけを走っていたが、いよいよ本領発揮の時が来た。

今回開業した10kmの区間は、2019年11月に開業した「相鉄・JR直通線」とともに「相鉄・東急直通線」として整備が進められてきた。建設と施設の保有は鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が担い、相鉄と東急が同機構に使用料を支払って施設を借り、列車を運行する「上下分離方式」を採用している。

 相鉄線と東急線を結ぶ路線の計画は2000年、東京圏の鉄道整備指針を示す運輸政策審議会(当時)の答申に盛り込まれ、2013年2月に土木工事に着手した。

一方、神奈川県内だけでなく都心部からも期待が高いのは、東海道新幹線の停車駅である新横浜へのアクセス改善だ。東急沿線や相鉄沿線はもとより、都心や埼玉方面からも直通できるようになることで、これまで東京駅や品川駅を利用していた新幹線利用者の転移も見込まれる。

 新横浜線の開業に合わせ、JR東海は同日のダイヤ改正で新横浜6時03分発の臨時「のぞみ491号」を新設。新大阪8時06分着で、品川6時00分発の「のぞみ99号」より10分、同時刻の東京発「のぞみ1号」より16分早く到着する。東急は相鉄やJR東海、JR西日本、阪急電鉄と連携し、新横浜線経由で関西方面への新幹線利用をPRする「東急線から新幹線へ」と題したプロモーションを展開。新幹線アクセス路線としての利用を期待する。

直通運転拡大で懸念されるのは、遅延や運休が発生した場合に影響が広範囲に及ぶことだ。対応の基本は、東横線系統・目黒線系統のどちらかで障害が発生した場合、もう1つの系統に影響を及ぼさないようにすることだという。「例えば、東横線系統の相鉄線直通に障害が発生した場合は武蔵小杉で運転を打ち切り、目黒線の直通列車に乗り換えていただく形にすれば目黒線系統には影響が出ない」(担当者)。「さまざまなパターンを想定してきめ細かく準備しているので、ご迷惑をかけないよう対応したい」と、担当者は気を引き締める。

最終更新日:3/18(土)9:48 東洋経済オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6457368

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