食品値上げ3月も 収束の気配なく

今年春までは大規模な値上げラッシュが続く。2023年における家庭用を中心とした飲食料品の値上げ品目数は、2月までに累計1万5813品目に上った。このうち、今年1-4月までの累計品目数(1万4451品目)は、前年と同じ時期(22年1-4月:5573品目)に比べて3倍ペースで推移している。また、2022年に実施された値上げでは、1.5万品目を突破するのに要した期間が9カ月だったのに対し、23年はそれより4カ月早く到達する見込みとなる。

 このうち2023年3月単月の値上げは加工食品を中心に3442品目となり、前年同月(1760品目)に比べて約2倍に達した。ただ、4月には今年最多の2月(5528品目)に迫る4892品目が、5月以降も合計1000品目超の値上げが既に予定されている。値上げラッシュは今春を「ヤマ場」としながらもなお収束の気配は見せておらず、8月にも予定ベースで累計2万品目を突破する可能性がある。

 2023年に予定される値上げ1.5万品目のうち、原材料高が理由となったものは98%以上(品目数ベース)と、ほぼ全てで原材料高が理由にあげられた。一方で、原油高などのエネルギー(86%)、プラスチック容器などの包装・資材(70%)のほか、円安(21%)なども理由にあがった。物流コストや輸入コスト上昇が続き、製品価格へ緩やかに反映する動きが目立っている。

2023年の食品値上げは4月までに1万5000品目を突破する見込みで、値上げの動きが早期に収束する気配は全く見られない。こうしたなか、足元では「1回での大幅値上げ」から、コストアップの長期化を見越し、柔軟に価格を改定する「複数回・小分けした小幅な値上げ」へのトレンド変化がみられる。そのため、月ごとの値上げは加工食品や菓子などを中心に22年に比べ多くなる見通しで、23年の値上げ品目数累計は8月にも2万品目を超える可能性がある。

 今後は、4月に控える「輸入小麦」の価格改定に加え、既にマヨネーズなどの値上げに影響を及ぼしている「鶏卵」の供給動向が注目される。また、物流コストや容器代などのコスト増による値上げが、小型PETボトル製品やビール・RTD飲料製品にも及ぶかが注視したいポイントとなる。

最終更新日:2/28(火)12:00 帝国データバンク

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6455401

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