JAL便Uターン 空港「門限」とは

2月19日夜、羽田空港を出発したJAL便が、目的地の福岡空港の“門限”にあたる午後10時に間に合わず、着陸できない事態が発生した。



悪天候による出発の遅れが原因と見られ、機体は関西空港に一時着陸し、給油後、羽田空港にUターンしたが、そもそも“門限”とはどういったものなのだろうか。

空港運用をめぐる海外と日本の規定の違いや、再検討が求められる課題などについて、元日本航空のパイロット・小林宏之さんに聞いた。

共に門限の午後10時を過ぎて福岡空港上空に到着しながら、着陸許可の判断が分かれた日本航空の3機。

乗客、乗員の負担や地球温暖化の影響による気象の変化などを考え、“柔軟な対応”を検討する必要があると小林さんは話す。

ーー門限を見直すためには何が必要?
空港当局と地域の住民との話し合いになると思いますが、特に日本は厳しいです。

例えば、アメリカのロサンゼルスやシカゴなどは、滑走路が何本もあって街の上空を四六時中、次々と飛行していて、飛行機に対する考え方が日本と違います。

日本の場合は、飛行機はまだ特別なものだという意識があると思います。

飛行機も公共交通機関の1つだという考え方が必要で、国民の意識が変わらないと難しいです。

海外ではほぼ24時間運用なので、悪天候で着陸できず引き返すことはあっても、“門限”で引き返すということはほとんどないです。

ーー着陸申請の流れは?
上空で急病人が発生したり、エンジントラブルなどは機長の判断で門限を過ぎても緊急着陸をしますが、悪天候で出発が遅れるとか、空港が混みあって門限までに着陸できない場合などは、航空会社から空港当局に申請することになります。

その都度判断が変わるようでは、乗客も乗員も非常に苦労するので、今回のケースを機に、基準を見直すか、柔軟な判断をするよう検討する必要があると思います。

地球温暖化の影響で、気象の変化が激しかったり、今までなかったような気象でなかなか出発できない、あるいは、もう少し待った方が安全に着陸できるというケースが今後起こってくると思います。

航路上の天候、例えば、積乱雲が発達しているとそれを迂回しなくてはいけないので、予定時刻からかなり遅れて目的の空港に到着することになります。

今回のケースを教訓にして、門限を過ぎた場合の“柔軟性”を検討したらいいと思います。

最終更新日:2/25(土)18:27 FNNプライムオンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6455063

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