盗まれた高級車どこに 追った男性

「知人に教えられて、オークションサイトに出品されているパーツを目にした時は驚きましたよ。無残にもバラバラにされていたのを見て悔しさが込み上げてきました……」

だが、盗難された車両の写真と、オークションに出品されたパーツの写真を警察に持ち込んだものの、それだけでは証拠として弱いと判断されたのか、捜査はなかなか進まない。そこで、被害男性たちは他のパーツが出品されるのを注意深く待ち続けた。すると、今度は“ヘッドライト”の画像がアップされたのである。こちらも盗難車両と特徴がピタリと一致する。それどころか、画像には意外な“ヒント”が残されていた。

 相談を受けた知人が振り返るには、

「出品されていたヘッドライトの画像は屋外で撮影されていました。そのヘッドライトに反射する格好で、撮影した人物と背景が映り込んでいたんです。しかも、背景の一部には特徴的な形状の建物があった。私が経営する会社は自動車関連のイベントを手がけていて、大規模な展示場になりそうな場所をGoogleマップで探すことが少なくありません。そこで、出品ページに記載された出品者の大まかな発送元住所をもとに、社員と一緒にGoogleマップで手分けして探すと、2時間ほどでそれと同じ建物を割り出すことができました」

当の解体業者側に話を聞くと、

「話を聞かされて、私たちも驚きましたよ。この車のパーツはうちで働いている外国人スタッフが、大阪の日本人の業者から購入したと聞いています。その業者から買ったのは初めてのことだったとか。警察には購入時の領収書を見せて事情も説明しているんです。警察はそのスタッフにいくつも写真を見せて、どの人物から買ったのか尋ねていたので、大阪の業者の目星がついていたのかもしれない。ただ、最初から盗難車だと分かっていればパーツを売ったりはしませんよ。市議さんの看板も選挙の時に頼まれて置いただけですから」

 最後に被害男性はこう訴える。

「私の車は特別仕様だったので判別がつきましたが、そうでなければ見つけることはできなかったかもしれません。解体業者に対して、盗難車ではないか厳格に確認するよう指導するなど、きちんと対策を講じなければこうしたケースは後を絶たないと思います。また、これだけIT技術が発展した世の中では、知らぬ存ぜぬでオークションにかけようと、一般人でも盗難された車の行方を特定することができる。盗難車で金儲けすることは大きなリスクを伴うことを知ってほしい」

デイリー新潮編集部

最終更新日:2/22(水)15:29 デイリー新潮

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6454766

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