日本企業の脱ロシア 侵攻1年で倍

ロシアでのビジネスから撤退=日本企業の「脱ロシア」の動きが低調ながらも進んできた。ウクライナ侵攻直前(2022年2月時点)にロシアへの進出が判明していた国内上場企業168社のうち、2月19日までにロシア事業の停止や制限・撤退を新たに発表・公開した企業は、全体の約半数にあたる79社で判明した。このうち、ロシア事業から事実上の撤退、または撤退計画を明らかにした企業は27社に上り、全体の1割超に達した。撤退企業は22年8月時点まで10社に満たなかったものの、今年2月までの半年間で新たに約20社の撤退が判明した。大手完成車メーカーや関連企業などを中心に、一時的な事業停止措置から完全撤退、事業・現地子会社の売却といった、恒久的な脱ロシア対応へと移行しつつある。いずれも、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化にともない、部品の調達難や現地企業・市場の需要縮小などを理由に挙げたケースが多かった。

 一方で、この間に原材料調達のめどが立ったことで現地生産を一部再開させた企業や、受注残などを理由に現地事業を当面継続する企業も少数ながらみられた。

直接的な対ロ制裁の対象外である日用品分野や製薬分野などでは、欧米のグローバル大手などでもロシアビジネスを続行するケースが多くみられ、脱ロシアを主導してきた欧米企業でも対応に差異がみられる。特に、事業売却先の選定が進まない、ロシア当局からの認可が得られないといった新たな問題も発生しており、ロシアからの事業撤退が容易に進まない実態が見えてきた。

 こうした半面、日本企業では大手国内完成車メーカーなどを筆頭に、昨秋以降、現地事業の撤退を決断するケースが増加している。ロシア事業依存によるレピュテーションリスク以外に、部品調達などサプライチェーンの混乱といった物理的で短期の解決が難しい問題を理由として、日本企業の脱ロシアは「様子見=事業停止」の第一段階から「撤退」へ方針転換を決断する第二段階へ移行していくとみられる。

最終更新日:2/20(月)11:01 帝国データバンク

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6454555

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