下着大手のワコールホールディングスは10日、2023年3月期(国際会計基準)の純損益が40億円の赤字に転落する見込みだと発表した。昨年11月時点の予想では80億円の黒字だったが、一転、120億円引き下げた。赤字となれば、1946年の創業以来初めて。コロナ禍からの回復の遅れや米子会社の減損損失が影響した。
売上高予想も2千億円から1900億円に、営業損益も80億円の黒字から55億円の赤字に下方修正した。
19年に約90億円で買収したインターネット販売を手がける米子会社で、見えない企業価値を表す「のれん代」を中心に101億円の減損損失を計上した。米国でネット上の個人情報の利用規制が進み、事業環境が悪化したという。
国内では物価高による買い控えなどが広がり、感染拡大前と比べて売上高は9割ほどにとどまっている。米国や中国も個人消費が減速しているという。
同日発表した2022年4~12月期決算は、売上高が前年同期比10・7%増の1439億円、営業損益が18億円の赤字(前年同期は61億円の黒字)、純損益が24億円の赤字(同50億円の黒字)だった。(田中奏子)
最終更新日:2/10(金)22:40 朝日新聞デジタル