JR九州は2022年9月のダイヤ改正で、福岡都市圏の鹿児島線で初めて、朝夕のラッシュ時の減便に踏み切り、編成車両の削減も進めた。西日本新聞「あなたの特命取材班」が同年10月からウェブページで意見を募ると、乗客ら千人以上から「これまでにない混雑で疲れ果てる」「乗り降りに時間がかかり、列車が遅延する」などの苦情が寄せられ、それは現在も続いている。 (水山真人、仲山美葵)
「乗客がコロナ前の9割程度に落ち込み、元に戻らないと判断した」。JR九州は今回のダイヤ改正の理由をこう説明する。
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JR九州にも、今回のダイヤ改正後1カ月弱(22年10月中旬時点)で、約900件の苦情や意見が寄せられた。18年3月のダイヤ改正で減便した際に寄せられた苦情が、改正後1年間で約900件だったのと比べ、いかに多いかが分かる。
同社は改正後、一時的に、各駅の判断で乗車を支援する要員をホームに配置した。12月には混雑を緩和するため急きょ、博多駅を夕方以降に発車する7本の快速・普通列車を6両から9両編成に増やした。今年3月18日のダイヤ改正では夕方の普通列車1本で、運転区間を延長する。
同社は「改正直後は一部の列車で混雑が激化したが、利用者が自ら時間帯をずらしたり、増車の対応をしたりして、現在は大きな混乱はない」との見解だ。
千鳥駅(福岡県古賀市)から利用するという小学生の男の子も1月中旬、アンケートに答えてこう要望していた。「もう少し車両を増やすなど、利用客の数に見合った柔軟なダイヤを作ってほしい」
最終更新日:2/6(月)14:22 西日本新聞