「7分のドラマ」。牛丼の吉野家で繰り広げられる光景は、かつてこう呼ばれていた。店員が来店客の前に手際よく丼を差し出し、お客は黙々とかっ込む。長居はせず、食事が済めばさっと席を空ける。
コメにも吉野家のこだわりがある。牛丼のつゆがご飯に浸透するよう、粘り気は強すぎない方がいい。近年はタレの浸透がいい米国産の「カルロース」という品種と国産米をブレンドして使っていたが、今年4月に国産米だけに変更した。物流費の高騰や円安の影響で、米国産の価格が見合わなくなったためだ。
これに対抗心をむき出しにしたのが牛丼チェーンだ。昼食需要を奪われまいと、税込み400円前後で販売していた牛丼を200円台に引き下げた。ファミリーレストラン業界でも、リンガーハットが「長崎ちゃんぽん」を500円から380円に値下げするなどの動きが出た。
最終更新日:12/20(火)21:12 読売新聞オンライン