text:Kumiko Kato(加藤久美子)
editor:Taro Ueno(上野太朗)
ETCは1997年に小田原厚木道路小田原料金所や東京湾アクアライン木更津金田第一(本線)料金所にて試験運用が約2年間おこなわれたことから始まる。
NEXCO東中西3社をはじめ高速道路6社における5車種別ETC利用率(令和2年9月)の平均は約93%。首都高に限れば96.7%と非常に高い利用率となっている。
料金所を通過するクルマが100台あったとしたらそのうち3~4台が一般レーンを使っている計算になるが、それでも一般レーンを利用する人がいる限り、どうしても料金ブースは有人としなくてはならない。
そして、この有人ブースで通行料金の収受業務をおこなっているのが「料金収受員」と呼ばれる料金所スタッフだ。
料金を収受するだけではなく、ドライバーからの問合せなど、各種お客様応対業務も担当しており、ETC車線の監視業務や各種機器を管理する業務もある。
なお、ETC車線の監視業務とは、モニターを使って入口/出口車線を監視することだ。
ETCカードや車載器を持たず、本来ならば一般レーンに行くべきクルマが誤ってETCレーンに入ってしまった時や、ETCカードの有効期限が切れてしまった時、また何らかの理由でゲートが開かなかったときなどに駆けつけてくれるのも収受員たちだ。
そしてこの料金所スタッフの採用が今年2月頃からとくに盛んにおこなわれていることをご存知だろうか?
ところで、料金収受員の皆さんはどのようなスケジュールで仕事をしているのだろうか?
1つの料金所がオープンすると10名必要……となると3交代制なのだろうか? と思ったら、全く違っていた。
1日の勤務は朝8時半~翌朝8時半の24時間体制(仮眠・休憩など含む)とのこと。
1日目 勤務(仮眠など含めて24時間)
2日目 朝9時 勤務明け
3日目 休み
4日目 勤務
と、このようなスケジュールになっている。
また、料金所スタッフを募集しているのは首都高だけではない。
12月現在、第三京浜や横浜横須賀道路の料金所でも、株式会社ネクスコ・トール関東という会社が、職種→高速道路の料金所スタッフ、雇用形態→契約社員として募集中だ。
業績や試験によりほぼ100%のスタッフが正社員としてキャリアアップしており、正社員登用後の定年は63歳! また、定年後もシニア社員として65歳まで、シニア社員終了後も70歳までシルバー社員として再雇用可となっている。
安定した環境で70歳まで再雇用可とはなかなか魅力的な雇用環境に思える。
しかし、実際はなかなか思うように人が集まらないという。そこにはひと昔前とは異なる定年後再就職の実情もある。
「かつては企業の定年が60歳だったので、定年後の再就職先として料金収受員は人気がありました」
「現在は定年が65歳という会社が増えてしまったため、再就職先に料金収受員を選ぶ方が減ってしまいました」
最終更新日:1/3(日)7:05 AUTOCAR JAPAN