「見合い結婚」か、「恋愛結婚」か。
厚生労働省の出生動向基本調査では、この夫婦の結婚形態の推移について継続的に調査しています。とはいえ、「見合いか、恋愛か」というほど両者が拮抗しているわけではなく、1965年あたりに見合い結婚比率が恋愛結婚比率に逆転されて以降、その差は広がり続けています。
ここでいう「見合い」の中には、いわゆる伝統的なお見合いパターンに加えて、結婚相談所による結婚も含みます。恋愛結婚に分類されているものは、夫婦の出会いのきっかけが、学校や職場、バイト先、友人などの紹介や街中でのナンパなどを選んだ対象者を恋愛結婚と分類しています。
「それを言ったら、見合いで知り合っても、戦前の見合いじゃないんだから、その後恋愛を経て結婚する夫婦が大部分で、見合い結婚も恋愛結婚になるじゃないか」というご指摘もあるかと思います。
ただし、見合いの場合は、事前の相手の選定から出会いの場の設定、その後のやりとりや相談も含めて仲人や媒酌人が介在します。それらは「お膳立て」といってよいものであり、当事者間だけで結婚に至るのか、第三者の介在とお膳立てがあったのかでは大きく結婚形態は違うものととらえるべきでしょう。
こうなると、「ほうら、やっぱり若者の恋愛離れが起きているんだよ」と言いたがる人も出てくると思いますが、決してそうではありません。以下のグラフを見ていただければ、長期推移として婚姻数が減っている要因がわかります。
■職場の恋愛が減っている
1990年代半ばに恋愛結婚数は大きく伸長していますが、同時期に職場結婚数もMAXとなっています。以降、急激に下がり続け、最新の2021年対比では6割減です。同期間の全体初婚数の減少は4割弱ですから、職場結婚だけが異常に減っていることがわかります。言い換えれば「職場の恋愛が減っている」わけです。
■結婚したいのにできない不本意未婚者は4割もいる
マッチングアプリは、いわば「街のナンパのデジタル版」でしかなく、3割の恋愛強者にとっては「幅広い出会いの場となる」便利なツールですが、経験に乏しい恋愛弱者にとっては「自分がモテない」ことを思い知らされるだけの残酷なツールと化します。
婚活がなかなかうまくいかない人たちがよくいう「出会いがない」という言葉がありますが、出会いがあればうまくいくというものでもありません。出会えればうまくいくというのはむしろ恋愛強者の台詞です。
最終更新日:11/18(金)14:38 東洋経済オンライン