缶に入った甘いあめで知られる「サクマ式ドロップス」を販売する佐久間製菓(東京)が来年1月20日で廃業することを受け、看板商品のサクマ式ドロップスがフリマアプリなどで高額で転売されている。通販サイトでも品薄の状態が続いており、SNSでは「普通に買いたい人には迷惑」などと怒りの声が上がっている。
佐久間製菓によると、サクマ式ドロップスの小売り希望価格は75グラム入りの缶が150円(税抜き)、115グラム入りの缶が200円(同)。フリマアプリの「メルカリ」では佐久間製菓が廃業することが判明した9日以降、相次いで出品されている。75グラム缶を6個セットにして5000円で出品しているケースや、10缶セットで2万1800円で出品しているケースも確認された。
◆「転売ヤーの意地汚さに呆れる」
サクマ式ドロップスがフリマアプリで高額取引されている現状に、ツイッターには「転売ヤーの意地汚さに心底呆れる」「普通に買いたい人からしたら迷惑」などといった意見が寄せられた。アマゾンや楽天などの通販サイトでも品薄の状態が続いている。
佐久間製菓の担当者は産経ニュースの取材に、「(高額取引の現状に)このような事態になるとは思わなかった。12月16日までは出荷を続ける予定」としている。
佐久間製菓のホームページ(HP)によると、サクマ式ドロップスは明治41(1908)年に国産初のドロップとして完成。佐久間製菓は太平洋戦争で工場が被災したものの、昭和23年に再興して事業を展開していた。東京商工リサーチによると、新型コロナウイルスの感染拡大による需要減も重なり、令和3年9月期は1億5173万円の最終赤字を計上。財務内容が後退したことから廃業を決断した。
最終更新日:11/11(金)21:00 産経新聞