企業が社員のスキルアップなどのために実施する「研修」。コロナの中、「集合型」が激減し、ゼロになった企業は2割にも及ぶそうです。
その代わりに主流になってきたのが「オンライン型」で、そのメリットへの認知も広がってきました。録画して繰り返し後から見返すことで理解を深められる、移動コストを削減できる、といった点です。
コロナ終息後もオンラインでの継続となる研修プログラムは相当数になると思われます。ただ、集合型でないと難しい、コロナがピークの時期でも集合型で実施されていた研修もあります。その代表が、企業の「幹部向け研修」です。
中期経営計画を立てているある経営者から聞いた話です。
後継者が育っていない。さらに後継者とともに経営のバトンをわたせる幹部候補が見当たらない。あと5年で引退したいのだが、このままでは難しい……と悩んでいる様子でした。
日本全体の高齢化が進んでいるのと同様に、経営者の高齢化が進んでいる日本企業も少なくありません。経営者の危機意識は高まり、幹部人材の育成に取り掛かる必要性が高まっていると言えます。
このような背景もあって幹部研修のニーズは高まっているのですが、ここで大きな問題に直面します。誰が担当して行っていくのか? です。
同じように通常の研修とは比較にならない重い負担を鑑みて、実施に苦慮する企業が多いと思われます。皆の手にあまる結果として、経営陣と人事部に加え、外部の専門家を加えてプロジェクトとして立ち上げるケースが増えてきていますが、意外なところに問題が隠れているのですね。
何とか幹部研修がスタートしたとして、次に出てくる課題が「成果の見える化」です。
期待通りにこの研修が幹部候補者の成長機会となっているのか? これを測定することがとにかく簡単ではありません。
最終更新日:11/7(月)17:24 東洋経済オンライン