text:Kumiko Kato(加藤久美子)
神奈川県に住む会社員、「つかぽん」さんは現在29歳。120回ローンで買ったフェラーリ360モデナが納車されて1年が経過した。
「赤いフェラーリF430をゲームの中で初めて見た時『なんてかっこいいクルマなんだ!』と思いました。デザイン、色(ロッソコルサにベージュ内装)、音に惚れました」
「あこがれのフェラーリに乗せてもらったのは大学卒業間近でした。スクーデリア・スパイダー16Mのオーナーがツーリングに行くことを知り、当時乗っていたカローラ・レビン(AE111)で駆けつけました」
「初対面にも関わらずわたしを助手席に乗せてドライブしてくれて夢が1つ叶った気分でした。もちろん、まだ、自分でフェラーリを買う考えなどありませんでした」
フェラーリを所有したい! という思いは20代半ばのころから芽生え始める。
「ツーリングやランチ会等で、フェラーリのオーナーさん達と交流する機会が増えてきて、自分もこの人たちのように所有してみたい、と思うようになりました」
「F430の実質的な兄弟車であるF360が750万円で掲載されているのを見て、『この額ならローンも通るのでは?』と思ったり、当時所有していたレビンとボクスターの合計維持費が、フェラーリ1台とそれほど変わらないかも?と思ったり」
「でもまだ、『欲しいけど、やはり雲の上の存在』という印象がどこか残っていました」
「信販会社のローン審査もパスして、月々4万円、ボーナス月は+25万円、120回ローンを組んで購入することになりました」
「金利は2.9%前後。本体価格930万円に、金利込みで1060万円くらいだったと記憶しています」
無事契約成立。
いち早く手にしたかったこと、そしてすぐにでもヨーロッパのような山岳地帯の高速道路を走りたいと思い、大阪まで360モデナを引き取りにいって中央道を自走で帰ってくることに決めた。
「ハンドリングは軽快で重さや車幅をほとんど感じさせない点はいいものの、フロントの接地感が薄すぎて、いつ、どこへ吹っ飛んでいくかわからないヒヤヒヤを高速道路でも、芦ノ湖の低速ワインディングでも感じていました」
「シフト操作は最初、『とてつもなく重い!」と感じましたが、数日もすればそれが普通になってしまいました」
「ブレーキは思ったよりも良く、『ポルシェからフェラーリに乗り換えるとブレーキが頼りない』と本で読んだことがありました。しかしたしかにピッチングはポルシェより大きいものの、ペダルタッチや制動力については想像よりも良く、まったく不満を感じることはありませんでした」
「エンジンは最高の一言につきます。8500rpmまでキッチリ回り、どこまでものびていく感覚がたまりません」
「高速のPAやワインディングが終わった展望台でクルマを停めて、降りて、振り返った時に『ああ、フェラーリだ』と。本当に何時間でも眺めていられます(笑)」
最終更新日:12/31(木)7:05 AUTOCAR JAPAN