昨年度の企業所得79.5兆円 最高

国税庁はさきほど、昨年度の日本企業の儲けが過去最高のおよそ80兆円になったと発表しました。
一方で平均給与はほぼ横ばいのまま。企業のもうけはどこに行っているのでしょうか?

20代女性・海運関係
「そういう実感もないので、ちょっと今びっくりしました」

30代女性・食品関係
「働いててプラスになっているとかは全く思わないです」

国税庁はさきほど、昨年度日本企業が儲けた金額の合計が79兆5000億円と、過去最高額となったと発表しました。
旅館や飲食店を中心にコロナの影響から持ち直し、製造業も30%あまり増加しました。

「ものづくりのまち」ではどう受け止めているのか。
町工場が多い東京・大田区で創業64年となったパイプ工場。

特殊なパイプのほか、コロナ禍では足踏み式の消毒スタンドも手がけてきました。しかしー

玉川パイプ・玉川大輔社長
「所得が増えているというのは、おそらく大手の一部の企業さんの話であって、我々のような地場でやってる製造業としては実感はまったくないという状況ですね」

「従業員のため、少しでも給料を上げてあげたい」
でも、なかなか踏み切れません。

玉川パイプ・玉川大輔社長
「材料代、燃料費の高騰は、まだまだ先が分からないので、不安という部分が大きい」

統計をみても企業で働く人の去年の平均給与は443万円。
過去30年間ほぼ横ばいのままです。
「過去最高の企業の儲け」はどこにいっているのでしょうか?

慶應義塾大学経済学部・小林慶一郎教授
「企業の収益が上がっても、それをとりあえず貯めておく、将来のために貯蓄として貯めておくという傾向が日本の企業は強いので」

大企業からの発注が回復しないまま、工場を閉めるか悩む下請け企業も。

研磨職人一筋66年、小野信太郎さん(91)。

航空機の部品を製作してきましたが、収入はコロナ前の3割減のままです。

小野製作所・小野信太郎さん(91)
「大田区の町工場はもう、人数的には(最盛期の)10分の1くらい。縮小してるね。まじめに働いてる人がやっていけないというのは大変なことなんですよ」

今後、経済全体を立て直すには物価上昇を超える賃金アップがカギだと専門家は指摘します。

慶應義塾大学経済学部・小林慶一郎教授
「企業の行動がもう少し楽観的な行動に変わってくれるだけでだいぶ日本経済の成長は高まるんじゃないかと」

「過去最高の儲け」を、実感できる日は来るのでしょうか。

最終更新日:10/31(月)18:53 TBS NEWS DIG Powered by JNN

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6443287

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