掃除機商戦に異変あり──今、家電業界では「ダイソンvs.国内メーカー」のバトルに注目が集まっている。かつて“絶対王者”として人気をほしいままにしてきたダイソン製掃除機の勢いが陰りを見せ、国内メーカーが巻き返しを図っているというのだ。
***
一方、国内メーカーはダイソンの背中を必死になって追っていたのだが、迷走していた時期もあったという。
「ダイソン以上の吸引力を実現したのはいいが、非常に重いものなど、首を傾げざるを得ないモデルが発売されたりもしました。長い不景気で商品開発費が削減されたことも大きかったでしょう。開発現場の苦労は並大抵のものではなかったと思いますが、ここ数年はユーザーの希望に向き合った商品が開発されるようになり、ようやくダイソン追撃のムードが高まってきました」(同・鎌田氏)
実を言うと、ダイソンの名を高めたサイクロン技術は日本の家電メーカーも実用化していた。「我々の掃除機は世界一」という傲りもどこかにあったのかもしれない。
「率直に言って、そこをダイソンに付け込まれたというのが、これまでの10年間だったと思います。しかし最近、国内メーカーの商品は軽くて吸引力も高い優れたモデルばかりです。ダイソンの重量に不満だったユーザーなどを取り込み、買い替え需要で売上を伸ばしています」(同・鎌田氏)
最終更新日:10/23(日)16:43 デイリー新潮