豊漁のノルウェー 日本との違いは

筆者の記事『「魚が獲れない」は世界で日本だけという衝撃事実」』に対して、大きな反響が寄せられました。日本は「漁業大国」という旧来のイメージが頭の中にあり、現在の漁獲量の激減ぶりをはじめて知ったという人が少なくないようです。



 改めて日本と世界の漁獲量推移を比較したグラフを確認しましょう。世界では漁獲量の増加が進んできた時期に、日本では1200万トンから400万トンへと逆に3分1に激減しています。

 日本の漁獲量の減少の仕方は、世界でも類を見ない異常な状態です。この現実を知って行動を起こさないと、国は動きにくく、成長を続ける世界の漁業・水産業とは対照的に衰退が止まりません。

全体としては悪循環となりますが、漁業者自身は生活がかかっているので、この状況下では「小さな魚でも獲る」という選択に、ならざるをえないのではないでしょうか。

 この状況がまさに「乱獲」です。しかしこれは漁業者が悪いのでしょうか?  漁業先進国でのほとんどの商業魚種がそうであるように、水産資源を適切に管理にしている国々では、日本のようなことは起こりません。

■漁業先進国の漁業者はどう違う? 

 わかりやすい成功例として、筆者が長年見てきたノルウェーの漁業者のケースをあげてみましょう。漁業者には、漁船ごとに実際に漁獲できる数量より、はるかに少ない漁獲枠が割り当てられています。

■「安くておいしければいい」の危なさ

 みなさんは、魚を店で買ったり、外食で食べたりする際に、その魚の資源の持続性について考えることがあるでしょうか。「こんなに小さな魚を獲って大丈夫か」「この魚は絶滅危惧種ではないのか」「密漁品ではないのか」ということより、多くの方が「安くておいしければいい」に注意が向いているはずです。魚の資源が激減して大変なことになっていることに、考えをめぐらせるのはごくわずかではないかと思います。

最終更新日:10/22(土)5:41 東洋経済オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6442409

その他の新着トピック