ギャル→タクシー運転手 自ら選択

2022年9月20日、東京都内で35歳の女性個人タクシードライバーが誕生しました。なぜ、彼女は個人タクシーの道を選んだのでしょうか。



 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会が公開しているタクシー事業の現状によると、タクシーの運転者数は約37万人、そのうち女性数は7700人あまり。また運転者の平均年齢は56.8歳、平均勤続年数は9.3年。ゆえにタクシードライバーというと、中高年男性が中途の仕事として選ぶというイメージが定着しています。

 そうしたなか、女性最年少個人タクシー運転手となったのは村瀬沙織さん。八王子市や日野市、町田市、多摩市、稲城市がおもな活動範囲である南多摩エリアで営業する村瀬タクシーのオーナーです。

 経歴を聞くと、なんと元ギャル。若かりし頃の写真を見ると、いわゆる「ガングロギャル」でした。タクシードライバーを始めたのは2008(平成20)年夏の世界金融危機、俗にいう「リーマンショック」で務めていたキャバクラが閉店し、失業したことがきっかけだったそう。

 新たな仕事を探すなか、個人タクシー事業者であった父親から「タクシードライバーはイイぞ」「若いうちに始めれば、その分早くに個人タクシーを開業することも可能」といわれ、「若さ」と「女性」は武器になると考えて、軽い気持ちでタクシー業界に飛び込んだといいます。

22歳でタクシー運転手になった村瀬さんは、10年間無事故無違反、同一会社勤務などの条件をクリアーすれば、最短32歳で個人タクシー事業者になることができました。実際、彼女もそれを目指し、最年少の女性個人タクシードライバーを目指して頑張ったといいますが、子どもができたことで入院と産休・育休せざるを得ず、泣く泣くその夢を後ろ倒しにしたと話してくれました。

 それでも35歳で個人タクシー事業者として開業したのはレアケースであり、彼女いわく「おそらく女性最年少の個人タクシー事業者」だとのこと。

その間、離婚も経験し、いまではシングルマザーとして頑張る毎日。当初の目標からは3年遅れてしまったものの、営業車を我が子に初めて披露したとき、「ママのタクシー、かっこいい! ムラセタクシーって書いてあるよ。わたしも大きくなったらムラセタクシーになるの!」といってくれたのが、最高のプレゼントになったと嬉しそうに話してくれました。

 ただ、とうぜんながら個人タクシー事業者は個人事業主。自分のスタイルで好きな時間に好きなペースで仕事できるというメリットはあるものの、車両管理や運行管理、事務作業、会計処理など、それまで会社がやってくれていたことを全て自己責任でこなさなければならない苦労はあるとのこと。

 お客様の命を預かる仕事のため、全てにおいて手抜きはできないことから、車両管理や運行管理においての緊張感は常に持っているといいます。

最終更新日:10/16(日)18:46 乗りものニュース

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6441787

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