GoToトラベル補填 2億円過大支給

新型コロナウイルス禍の国の観光振興策「GoToトラベル」事業が中断した2020年11月以降、旅行予約のキャンセルによる事業者の損害を補塡(ほてん)するため国費から支払われた「取消料対応費用」のうち約1万件・総額2億円超が、対象期間外申請や二重申請への過大支給だったことが会計検査院の検査で判明した。検査院は12日、観光庁に対し、申請した旅行会社などに過大分を返納させるよう求めた。



 「GoToトラベル」は旅行需要喚起を目的に20年7月にスタートしたが、感染が再拡大した同11月下旬から各地で一時停止。その後、全国一斉に停止となり、緊急事態宣言に伴い21年1月以降も停止が延長された。

 旅行予約は無料でキャンセルできることとなり、国は「対応費用」として、旅行・交通事業者などからの申請に応じて旅行代金の35~50%を支払うことにした。観光庁は一般社団法人・日本旅行業協会(東京)などでつくる「ツーリズム産業共同提案体」を事務局として申請に対する事前審査と支給を委託し、21年度末までに約405万件・約1300億円を支給した。

 この支給では迅速な事前審査が求められたため、十分なチェックが行われたかを確認しようと、観光庁が21年4月、事務局に一部の申請について事後審査の実施を要請。審査の結果、支払い要件を満たさない申請への支給が502件確認された。

 今回、検査院はこの502件を除く20~21年度の申請分を独自に検査。その結果、申請時に記された旅行予約日やキャンセル日が支給対象期間外だったり、同一内容の申請が二重にされていたりしたものなどが約9100件(総額約1億9000万円)発覚した。また、申請時に記された予約日やキャンセル日が実際の日付と異なり、本来は対象外だったケースが約900件(同約3000万円)あった。

 検査院は、こうした不適切申請が故意かミスかは明らかでないとしつつ、申請数が大量で事前審査が十分でなかったと指摘。観光庁に対し、事務局による事後審査の徹底も求めた。同庁の担当者は「指摘を受け、支給額の高い旅行会社などを対象に事後審査の範囲を広げて調査している」と話した。【柿崎誠】

最終更新日:10/12(水)18:52 毎日新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6441398

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