厚生労働省が25日に発表した11月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0・02ポイント高い1・06倍だった。改善は2カ月連続。ただ、厚労省は新型コロナウイルスの感染拡大による雇用への影響は遅れ気味に表れるとして、秋以降の状況を踏まえて「雇用が回復傾向にあるとは言えない」としている。
求人倍率は、求職者1人あたり求人が何件あるかを示す。改善した理由について、厚労省は、11月の新規求人が前月より9・2%増えたことなどを挙げた。ただ、前年同月比(原数値)では21・4%減と厳しい状況が続いている。産業別では、宿泊・飲食サービス業が34・7%減、情報通信業が33・4%減と、前年同月からの落ち込みが大きい。
また、総務省が25日発表した11月の完全失業率(季節調整値)は2・9%で、前月より0・2ポイント低下して2%台に改善した。2%台は4カ月ぶり。完全失業者数は前月より16万人減の198万人となった。(吉田貴司)
最終更新日:12/25(金)14:19 朝日新聞デジタル