伝統工芸品「江戸硝子」の職人が手作りしている『富士山グラス』。人気の商品だが偽物が多く出回っているという。その実態を取材した。
このグラスは本物の富士山グラスと何らかの関係があるのか。取材班は本物の富士山グラスを作っている「田島硝子」に話を聞くことにした。
(田島硝子 田嶌大輔社長)
「真ん中にあるのが連帯窯といってガラスを溶かしている窯なんですけど、総勢22~23名で職人さんたちが1つ1つ手作りで主にグラス類を作っています。今の時間でも1350℃くらいでガラスが溶けていますから、その近くで仕事するので、かなりの暑さだと思います」
富士山グラスは全て手作りだ。作業場では、職人がドロドロに溶かしたガラスを型に吹き込んで、グラスの形に整えていく。
グラスの側面の桜の模様作りも1つ1つ手作業で行われていて熟練した職人の技が必要だという。
では偽物の富士山グラスはどのような企業が販売しているのか。その手がかりがグラスにあった。グラスに貼られたシール。中国語で「透明小型」と書かれている。中国の企業が販売しているのだろうか?
取材班は偽物の富士山グラスを販売する通販サイトに連絡してみた。
【通販サイトからのメッセージ内容】
『電話は修理中です。使用できない可能性があります。住所は香港九龍のビル12Fです』
通販サイトの運営企業は中国の企業で、本社は香港にあるという。
そこで取材班は現地に向かった。香港の繁華街にある雑居ビル。12階の看板には通販サイトを運営する企業名は書かれていない。フロアを確認してもそれらしき会社は見当たらなかった。
ビルの入居者らに話を聞いてみた。
(ビル入居者)
「(Q隣の会社は日本の商品を販売していますか?)よくわからないけど昔はカプセルトイの器材を販売していたよ。(Qお酒のグラスのような物を見たことはありますか?)ないですね」
「(Qグラスのような物を販売していますか?)わかりません。(Q日本の商品を販売している会社はありますか?)全くないよ」
ビルの管理会社にも確認したが、結局、通販サイトの運営企業はこのビルに存在しなかった。
最終更新日:9/15(木)23:41 MBSニュース