ドーナツブーム KKD人気回復の今

「クリスピー・クリーム・ドーナツ(以下KKD)」が日本に初登場したのは2006年。その頃は数時間待ちの行列も当たり前という入手困難なドーナツでした。そこから気づけば行列は短くなり、「お店が減ったな」と感じた方もいるのではないでしょうか。しかし、今、第3次ドーナツブームを迎えているなか、人気がV字回復、店舗数も過去最高となりつつあるのです。



行列を緩和するためにも右肩上がりで店舗数が増えて2014年時には58店舗にまで増えたアメリカ発の同ブランド。しかし、日本初の1号店であった「新宿サザンテラス店」は2017年にテナントとの契約満了で閉店、関西1号店の「心斎橋店」も2013年に閉店するなど、2017~18年は44店舗にまで減少していました。

しかし、そこから店舗数が復活し、今年は過去最高の60店舗に到達予定。関西でも10店舗だったところ今年だけで4店舗も増えて14店舗に。そのなかで注目したいのが、若者を中心に人気を誇る商業施設「ルクア大阪」でのオープンです。

KKDが改めて人気を得るターニングポイントとなったのは2019年。それまでは直営店舗限定でしたが、高級スーパーにキャビネットを設置してドーナツを販売するといった取り組みをおこなうなど、「販売チャネルを拡大し、お客様とのタッチポイントを増やすことにも力を入れています」とKKDの広報担当者。オープン当時は「並んで買ってくれるだなんて!」と特別なお土産的存在だったのですが、気軽に食べられる日常の贅沢おやつへとシフトしたのです。

また、新メニューの開発と同時に、買いたくなるかわいらしさの魅力もアップ。ハロウィンやイースターなどの期間限定のドーナツの商品のビジュアルがブラッシュアップされているだけではなく、2018年の「バーバパパ」とのコラボを機に、「セサミストリート」「ミニオン」ともコラボ。2021年には独自でデザインした「アザラシ」のドーナツは人気となり、2022年にも再販するほどとなっています(期間限定、現在は終売)。

実際、人気となっている理由のひとつとして、「ハロウィンやホリデーのイベントに絡めたドーナツはもちろん、その他の期間限定商品がシーズンごとにご好評いただいております。いつ来ても新しい出会いがあり、楽しんでいただけるという点も人気の理由だと思います」と広報担当者も語っています。

毎秋、ハロウィンのドーナツが販売されており、例えば2013年であればカボチャのジャック・オ・ランタン型と、秋限定フレーバーだけでしたが、今年9月14日から販売される限定ドーナツには、かわいい黒猫(9月14日~10月6日・334円)、とミイラに変身してしまった黒猫(10月7日~31日・334円)が販売されるなど、遊び心が活かされています(料金はテイクアウト価格)。

また、店舗数が増えているだけではなく、8月26日には国内最大のフラッグシップショップとして111坪もある「クリスピー・クリーム・ドーナツ 東京国際フォーラム店」がオープン。看板商品「オリジナル・グレーズド(R)」を出来たての温かい状態でいただけたり、ミートソースやチーズを組み合わせた『スロッピージョー』を食事として楽しめたり、新しいKKDのドーナツ・スタイルを提案。オープン翌日は開店前からお客が並ぶほどとなったそうです。

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2000年以降のドーナツブームは、第1次が2006年のKKDの上陸時、第2次がコンビニドーナツ、そして第3次が、生ドーナツといった生地の食感にこだわった専門店が増えている今年と言われています。

そんな状況について、広報担当者は「ドーナツ第3次ブームが起きていることを感じております。コロナ禍でもありがたいことに他の飲食と比べ回復が早かったことなどを見ると、追い風になっている可能性もあるのではないかと思います。ますますと、ドーナツ自体がより身近な存在になっていることはとても嬉しく思っています」。

行列はなくとも…いや、むしろ気軽に買えるようになったからこそコロナ禍でも順調に伸びた同ブランド。現在は兵庫以西には直営店舗はありませんが、今後も増えていきそうな勢いを感じさせます。第3次ブームは流行りにのるではなく、当たり前の存在として浸透する期間となりそうです。

最終更新日:9/14(水)13:42 まいどなニュース

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6438614

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