インターネット通販大手アマゾンジャパンなどの商品を配達するドライバーの労働相談に応じる「配達ドライバーホットライン」が11日、東京都内で開かれた。ネット通販の需要が高まる中「トイレに行く時間もない」など厳しい配達員の労働環境が浮かんだ。
ホットラインは、ドライバーの労働実態を明らかにしようと、アマゾンの商品を配達するドライバーを組織する労働組合の全国ユニオンが連合や労働問題に詳しい弁護士らと開いた。同労組などによると、ドライバーの多くは荷物を配送するアマゾンの下請け業者らと業務委託契約を結び個人事業主として働いている。雇用契約でないため、最低賃金や労働時間規制など労働法の適用を受けていない。
関東を中心に全国から20件の相談があった。配達方法の変更があり、「1個いくら」で運んでいたのが「1日いくら」に代わり、「収入は増えないのに、配達個数は以前の100前後から倍以上になり200を超える」などの相談があった。また、仕事量の増加で「休憩を取れず、トイレにいく時間もない」、「人手が不足しており、高熱でも配達を強いられた」、「このままでは事故を起こしてしまわないか心配だ」などの深刻な相談が寄せられた。また、配達を指示するアプリが不合理な配送ルートを示すなどの指摘があった。
同ユニオンの鈴木剛会長は「相談内容を見ると、アマゾンのアプリで指揮命令を受け配達しており、労働法の保護を受ける労働者だと言える。相談の中身は労働組合で交渉しなければ解決できないものが多い」と話している。同労組では引き続きインターネットの連絡フォームや電話での相談を受け付ける。問い合わせは東京ユニオン(03・6709・8954)。連絡フォームはQRコードから。【東海林智】
最終更新日:9/12(月)19:00 毎日新聞