日韓路線で遅れる運航再開 背景は

日本から最も近い海外の国、韓国。時差はなく、気軽に行ける海外として老若男女問わず人気がある。



 コロナ以前、日韓路線は大手航空会社と格安航空会社(LCC)で、地方を含む日本各地から多くの便があった。だが、コロナ禍で大半の便が運休に。2年あまりたち、徐々に再開してきてはいるものの、以前の数にはまだ及ばない。

 運航再開が遅れている最大の理由は、日本の入国規制だ。2022年3月以降、ワクチン接種などを条件に隔離免除、1日の入国者数の上限を増やすなど、規制緩和へ動いている。だが、外国人旅行者に対してはいまだ全面的に「開国」していない。

 しかも、日本と韓国の間には、海外のほかの国・地域と違う、やや特殊な事情も少なからず影響している。

日韓路線のピークは、先に紹介した2019年春だ。その数が減ったのは、2019年7月、日本政府が半導体素材3品目に対する対韓輸出規制を強化したためである。その動きに韓国政府が怒り、当時の文在寅大統領は「再び日本に負けない」と発言した。日本製品不買運動「ノージャパン運動」も、韓国全土に広がった。韓国人が訪日旅行を控え始め、特にLCCが次々と日韓路線を減便した。

 解決の糸口を見いだせない日韓問題は、ほかにもある。

・徴用工裁判
・慰安婦問題
・竹島問題

などだ。事あるごとに問題がクローズアップされるたび、日韓両方で論争が繰り広げられる。不要不急と言われる旅行は、世論の影響を非常に受けやすい。コロナ後の入国緩和についても、両国とも相互間で慎重かつ様子見な姿勢が、随所に垣間見られる。

 日本と韓国の入国緩和時期はほぼ同じだったが、日本は海外からの個人旅行者の入国をまだ認めていない。そのため韓国も日本人旅行者に対し、在日韓国大使館などでのビザ(査証)の取得を課している。ただ、ビザ申請者が殺到して事務手続きが追いつかないため、2022年8月に続いて9月、10月もビザなしの入国を認める特例措置を発表した。

 一方、日本政府が現地出発前に課していたPCR検査を9月7日から撤廃することを発表した後、韓国政府も9月3日から無くすことを明らかにした。このタイミングは日本の動きを見た上でのもの、とも考えられる。

最終更新日:9/6(火)8:30 Merkmal

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6437709

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