分析機器や医療機器を手掛ける島津製作所(京都市)の子会社が医療用エックス線撮影装置の保守点検をめぐり、故障を装って修理を行っていた疑いがあることが25日、分かった。島津製作所は「不適切な行為があったという疑義が生じている」と発表。外部の専門家を交えて調査を進めており、「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」としている。
島津製作所などによると、当該のエックス線装置は同社が製造し、販売・保守点検を担う子会社「島津メディカルシステムズ」(大阪市)が熊本県内の病院に納入した。関係者によると、装置の主要部品に不正を行い、装置の故障を装って部品を交換した疑いがあるという。
島津製作所の担当者は不正の疑いについて、「少し前から把握していたが、具体的な時期や詳細な内容については現段階では言えない」と説明。また、「本件によって誤診や医療事故を生む可能性はない」としている。
一方、問題となっている医療用エックス線撮影装置と同種類の装置を導入している熊本市内の公立病院によると、島津メディカルシステムズ熊本営業所の幹部が25日、病院を訪れ、「こちらの装置は不正の対象ではないが、お騒がせして申し訳ない」などと謝罪したという。この病院の関係者は「人体に直接関係する装置であり、メーカーとの信頼関係で購入し、メンテナンスもお願いしているのに許せない」と話していた。
最終更新日:8/26(金)14:23 産経新聞