山手線西側の私鉄 終電混乱?

JR東日本がかねて表明していた2021年春ダイヤ改正時における終電時刻の繰り上げについて、都心から郊外に向けた終電繰り上げの概要が10月21日に発表された。山手線、京浜東北線など17線区において最大で37分程度、今よりも終電の時刻が早くなる。



 終電の繰り上げが行われない区間もある。たとえば、山手線の外回りは16~19分程度繰り上がるが、内回りは池袋発大崎行きの終電が現行の0時51分発から20分程度早くなる一方、品川・東京・上野などの終電はほぼ現行どおりの予定だ。

都営新宿線は上り最終列車の新宿駅着が0時40分なので、山手線内回りへの乗り継ぎはほぼ不可能。外回りへの乗り継ぎも際どいところだ。東京メトロ丸ノ内線は、池袋方面行きの新宿着は0時16分なので山手線の外回り、内回りともに間に合うが、荻窪方面行きは0時39分着。内回りへの乗り継ぎは厳しい。外回りへの乗り継ぎは急いで歩けば可能だろう。

■東横・田都からの乗り継ぎは厳しい

 ■渋谷駅

 山手線外回り(新宿方面)の出発時刻が0時52分から0時33分に、山手線内回り(五反田方面)の出発時刻が1時07分から0時48分に繰り上がる。

■池袋駅

 山手線外回り(上野方面)の出発時刻が0時38分から0時21分に、山手線内回り(新宿方面)の出発時刻が0時51分から0時31分に繰り上がる。

 西武池袋線、東武東上線ともに最終の池袋着は0時35分(西武池袋線:石神井公園発各停、東武東上線:志木発各停)なので山手線には接続できなくなる。東京メトロは丸ノ内線の最終の池袋駅着が0時40分でやはり山手線には接続できない。有楽町線最終の池袋駅着は新木場方面が0時18分(和光市発各停)、小竹向原方面が0時40分(新木場発各停)。副都心線の最終の池袋駅着は渋谷方面が0時26分(和光市発各停)、小竹向原方面が0時37分(元町・中華街発各停)だ。やはり、山手線終電繰り上げの影響を受ける。

■東京駅

 山手線外回り(品川方面)の出発時刻が1時03分から0時46分に繰り上がるが、山手線内回り(上野方面)の出発時刻は0時39分で変更がない。

 東京メトロ丸ノ内線の最終の東京駅着は新宿方面が0時20分、池袋方面が0時23分。もともとの終電時刻が早いため、山手線終電繰り上げの影響は受けない。

 ■新橋駅

 山手線外回り(品川方面)の出発時刻が1時07分から0時50分に繰り上がるが、山手線内回り(東京方面)の出発時刻は0時35分で変更がない。

ほんの1年前までは、東京オリンピックの期間中は観客輸送のために首都圏の鉄道の終電を午前2時ごろまで繰り下げるという検討が行われていた。それが昨年10月にJR西日本が終電時刻の繰り上げを検討すると発表し、今年のコロナ禍で世の中の流れが終電繰り上げを容認する方向に変わった。

 JRに追随してほかの路線も終電時刻を繰り上げれば、社会全体が深夜の労働を縮小する方向に向かう。深夜営業を行う飲食店にとっては営業時間を短縮せざるをえないケースも出てくるだろう。逆に、終電間際まで残業をしているサラリーマンにとっては朗報かもしれない。いずれにせよ、各鉄道事業者には利用者の不便を最小限に抑えるようなダイヤ改正を期待したい。

最終更新日:10/26(月)5:31 東洋経済オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6374728

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