怪しさ軽減? 薄色サングラス好調

メガネブランド「Zoff」(ゾフ)で、レンズの色が薄い「ライトカラー」のサングラス販売が好調だ。連日の暑さで紫外線対策としてサングラス需要が高まる一方、新規陽性者数が増え、新型コロナ感染対策としてマスクを着用する人が依然として多いためだ。目元の表情が見えるライトカラーのサングラスを着用することで、怪しさを軽減したいというニーズが好調の要因となっている。運営元のインターメスティック(東京都港区)によると「前年まではサングラスの売り上げが低迷していたが、ライトカラーの商品を充実させたところ、売り上げが増加している」という。

同社は現在、「サングラスの定番色」(同社広報)という「グレー」「ブラウン」に加え、「カーキー」「ブルー」の計4色を中心にライトカラーを提供している。こうしたライトカラーのサングラスはコロナ前は「商品として存在はしていたが、主力商品ではなかった。やはり濃いレンズが好まれ、よく売れていた」。同社広報はこう振り返る。

 だが、コロナ禍で状況が一変した。夏は紫外線量が1年で最も多く、サングラス販売数も伸びる時期だが、過去2年は移動制限や外出制限などによって観光業が低迷。広報によると「リゾート地など観光地での使用イメージが強いサングラスは、使用先を決めてから購入するユーザーが多い」といい、同社のサングラス販売もその影響を受け、不振に陥った。

 「具体的な数値は開示できないが、過去2年のサングラス販売数は過去最低レベルにまで落ち込んでいた」(同社広報)

だが、その後、ワクチン接種が進んだことなどもあり、新規陽性者数が減少。新型コロナへの国民の恐怖感が全盛期よりも一定程度収まったことなどで、在宅から出社に切り替える企業も増え、“ブルーライト特需”にも陰りが見え始めた。

 そうしたことから、同社はサングラス事業に手を加え、移動制限がない状態での3年ぶりの夏到来に備えることとした。商品の拡充を検討する中で、注目したのがマスクだ。コロナ前はマスクといえば「白」というのが定番だったが、マスク需要の高まりを背景に、各社がマスク事業に参入。色やデザイン、素材が異なる、さまざまなマスクが商品化された。

 マスクではなく「マウスカバー」という表現を使っているものの、スポーツメーカーのミズノは水着素材を使った商品を開発し、『仮面ライダー』とのコラボ商品を発売した他、布マスクよりも感染予防効果が高いとされる不織布マスクでも、ピンクや黒などのカラー展開が増えた。

 こうしたことから、マスクをファッションアイテムの1つとして捉え、女性を中心に服装や利用シーンに応じて、マスクの色を使い分ける考えが定着。Zoff側はマスクの動向を参考にグレー・ブラウン以外の色を強化するとともに、マスクとの併用を見越し、ライトカラー商品を充実させた。

 さらに、コロナ禍でブルーライトカット商品が普及したことを踏まえ、マグネット式でレンズの着脱が可能な「Zoff NIGHT&DAY」、紫外線量でレンズの色の濃度が変化する調光レンズ「色が変わるレンズ」などメガネとサングラスの兼用商品の拡充も図っている。当然ながら、いずれの商品にもライトカラーを用意している。

(関連記事:レジャーからビジネスシーンまで──Zoffがサングラス販売を強化するワケ)

 これらの商品がターゲットの1つとしているのが、ビジネスシーンの利用だ。同社広報は「コロナ禍でスーツ以外にもオフィスカジュアルの服装が増え、ビジネスシーンでのファッションの幅が広がった。兼用可能な商品も含め、外回りが多いビジネスパーソンなどへの普及を進めたい」としている。

 夏の暑さ対策グッズとしては、ソニーの“着るエアコン”「REON POCKET 3」や、サーモス・タイガーの「炭酸対応ボトル」の販売が好調だ。これらの商品は独自の市場ジャンルを開拓したといえる。Zoffのライトカラーのサングラスは市場の新たなトレンドとして定着することができるか、注目を集めそうだ。

最終更新日:8/11(木)10:58 ITmedia ビジネスオンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6435321

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