「混むんだよな」と分かっていても、お盆時期に高速道路を走らなければならない人は多いはず。アダプティブ・クルーズ・コントロールの普及などによって、渋滞時の苦痛も多少は軽くなりつつあるが、それでもやはり渋滞はイライラの種だ。
そんなときにぜひ試してほしいのが、「渋滞吸収運転」だ。高速道路での走り方をちょっと変えるだけで、クルマの流れがスムーズになり、引いては渋滞の緩和にも効果があるという。「なんじゃそりゃ?」という人のために、そのやり方をお伝えしよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、Adobestock(トップ画像 = Alexandra Gl@Adobestock)
見方によっては弱気な運転に見えるかもしれないが、この運転が実際に渋滞を緩和することは実験でも証明されている。東京大学で渋滞学を研究している西成克裕教授はJAFと協力して実験を行い、渋滞吸収運転の効果はYouTubeでもみることができる。
実際にこの運転を行ってみると、最初はやたらと割り込みされたりすることが気になるのだが、アクセルとブレーキのペダルの頻繁な踏みかえが減り、運転に余裕ができることが実感できる。決して「目的地へ早く着く」ためのテクニックではないのだが、自分が渋滞抑制にほんの少し役に立っているという心理がどこか心地よいのだ。
渋滞吸収運転への理解が進めばマクロレベルで渋滞が減らせるはずだから、将来はアダプティブ・クルーズ・コントロールの制御にも応用されるかもしれない。今後、渋滞時の高速道路で車間距離を空けているクルマを見たら決してイライラせず、「渋滞解消に尽力しているんだ」ということを思い出してほしい。
最終更新日:8/10(水)11:14 ベストカーWeb