絶対王者「のりたま」の強さ

「ごはんのおとも」として、最も手軽に楽しめるふりかけ。

 昭和・平成・令和と時代が進んでも、日本の生活者に愛され続け、現在の市場規模は約500億円。各メーカーの商品開発や購買につながる訴求も功を奏し、市場は平成初期に比べて約100億円拡大したといわれる。



 そのふりかけ市場で、首位ブランドとして君臨するのが丸美屋食品工業の「のりたま」だ。

 さまざまな調査データでも、長年にわたりナンバーワンの座を譲らない。いわば「絶対王者」といえる存在。発売されたのは1960(昭和35)年なので、今年60周年を迎えた。

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■最強2トップの「たまご」を深めた

 「在宅勤務はふりかけには追い風」と先に紹介したが、向かい風もあった。

 ふりかけを使うシーンには、弁当やおにぎりなどもある。その機会が減ったのだ。

 コロナ禍の外出自粛でゴールデンウイークや夏休みなどの行楽需要が減り、子どもの運動会や遠足などのイベントも中止となった。職場に手づくり弁当を持参していた人も、在宅勤務では作る必要がない。それもあって、市場全体では対前年比微増となっている。

「子どもたちが『今日はどれにしようか』と楽しそう」という消費者の声も寄せられた。

 2007年から展開する「手のりたま」も、今年はブランドの売り上げ拡大に寄与した。60周年限定品として発売した「ひよこチップ入り手のりたま」は、容器の中に食べられる「ひよこチップ」も入っており、見つける楽しみもありそうだ。

 「外出できず気が滅入る中、かわいい容器に癒やされる」「楽しいふりかけは気分転換になる」という声も聞いた。

また、本社を構えるのは東京都杉並区の住宅街だ。企業規模が大きくなると、都心の高層ビル上層階に本社を移す食品メーカーもある。時に「一般消費者の気持ちが肌感覚でわかるのか?」と感じるが、そうした移転姿勢も見せないのだ。

 「社員同士の仲が良く、各自が責任感を持ちつつ、気軽に相談し合える関係性をもっています。そんな雰囲気の中で、ふりかけや麻婆の素、中華の素、釜めしの素といった基幹商品を中心に、多くの商品を展開しています」(広報宣伝室課長・青木勇人さん)

最終更新日:12/20(日)10:06 東洋経済オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6379919

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