混雑日本一 舎人ライナーどう緩和

国土交通省 都市鉄道政策課が2022年7月22日、都市部の鉄道における路線・区間別の混雑率を公表。全国主要路線で最も高い混雑率を記録したのは、東京都交通局の「日暮里・舎人ライナー」。数値は赤土小学校前→西日暮里の144%でした。



 日暮里・舎人ライナーの“日本一”は2年連続です。ちなみにコロナ前の2019年度は189%で5位につけていました。

 その2019年度は、東京メトロ東西線(木場→門前仲町)が199%で最も高かったのですが、2020年度は一気に123%までダウン、2021年度も128%にとどまりました。同線など最も混雑する路線が、コロナによる利用減で軒並み混雑率を大きく下げた中で、日暮里・舎人ライナーの下げ幅は比較的小さく、結果的に日本一へ躍り出た形といえるでしょう。

 というのも、この路線はゴムタイヤの車両で高架橋を走る新交通システム。1両あたりの大きさは通常の鉄道車両より一回り小さく、それが5両固定の編成で走ります。そのため、1編成あたりの輸送量も限界があります。

 沿線の大部分を占める足立区西部は、2008(平成20)年の開通まで大きな鉄道空白地帯でした。東京23区のなかでも地価が比較的手ごろなこともあり、コロナ禍でも急速に宅地化が進行しています。

 日暮里・舎人ライナーの混雑対策をどうするのか、近藤やよい足立区長が2022年7月19日、区のウェブサイトで取り組みを紹介しています。

混雑時間帯の対策については、足立区交通対策課、東京都交通局とも、通勤時間をずらすことを推奨する「時差Biz」キャンペーンの推進を挙げました。

 しかし、そうしたソフト対策には限界があります。昼間の利用を増やし、収支を向上させなければ、抜本的な施設改良にもつながりづらい状況があるのです。

 日暮里・舎人ライナーの沿線には、都内最大級の都立公園である舎人公園などもあります。しかし、足立区交通対策課によると、昼間の利用を促進するためのイベントなども、コロナ禍のため開催が難しいとのこと。

 一方、これまで少なかった「ラッシュ時の人の流れと逆方向の利用」は、若干増えてきているといいます。2022年1月、区内の江北地区に大型病院「東京女子医科大学附属足立医療センター」が開業したためです。

 荒川区西尾久にあった女子医大の東医療センターが移転して開業したこの病院には、看護学校も併設されており、都心方面からの通勤・通学利用が見込めるといいます。日暮里・舎人ライナーに並行して走っていた都営バス里48系統も、この病院を中心として路線が再編されました。

 舎人公園も2021年に拡張され、新たに設けられた遊具エリアが人気を博すなど、沿線にはまだまだ“伸びしろ”がありそうです。今後の開発などで、足立区方面への利用者をどれだけ増やせるかが、ひいては都心方面への混雑緩和につながるかもしれません。

最終更新日:7/29(金)18:35 乗りものニュース

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6434016

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