コロナ禍で感染リスク回避のため、公共交通機関が敬遠された代わりに、移動手段として人気を集めたカーシェア。最近では、思わぬ使われ方をしているという。
<終電がなくなって、ホテル代わりに車中泊で何度か利用しました>
<急きょオンラインで打ち合わせの必要があって、ソッコーでスマホで予約した>
ネット上には、他にも昼寝やスマホの充電を目的に利用したという声も。
本来、移動目的のカーシェアだが、ほとんどホテル代わりにした個室利用により「走行距離0キロ」で返却されることがあるという。タイムズカー運営タイムズモビリティの担当者がこう話す。
「走行距離0キロ(一時駐車)のご利用方法に関して貸渡約款では制限しておりませんが、現在では控えていただくよう、会員さまにはお願いしております」(広報)
これまで1つの駐車スペースに1台という運用方法を取っていた。しかし、需要が高まる週末などに、より多くのクルマを供給するため、貸し出されて空いたスペースに、営業所に待機しているクルマを供給する運用方法に変更したのが、その理由だという。つまり、駐車スペースに止めたまま「個室利用」されると、次の利用に応じられないからだ。
であれば、駐車スペースからクルマを出し、路肩などに止めて使うケースが出てくると思われるが、交通ルールにのっとって使う分には構わないとのこと。
だが、個室利用に問題がないわけではない。
例えば夏場の車中泊の場合、冷房をかけっぱなしにするため、夜間にアイドリングしたままでは、近隣住民にとっては迷惑極まりないだろう。事業者にとっても、個室利用はありがたくなかったりする。
「カーシェアは時間ごとの利用料金(基本料金)の他に、距離料金といって走行距離に応じて支払うことがほとんど。6時間まで距離料金がかからないことが多いですが、ガソリン価格が高騰する中、短時間ならまだしも、料金が安いナイトパックで冷房をガンガンにかけて長時間の個室利用をされたら、ガソリンは消費されるので、たまったものではないでしょう」(自動車ジャーナリスト)
新たな使い道もルールとマナーを伴って行われるべきだろう。
最終更新日:7/21(木)18:56 日刊ゲンダイDIGITAL