レジ袋無料続けるセコマ 背景は

2020年7月、小売業におけるプラスチックごみの削減を目指し、コンビニのレジ袋が有料になった。現在、セブン、ローソン、ファミマの大手3社では、レジ袋を3円で提供している。



 そんな中、レジ袋の無料配布を継続するコンビニがある。北海道No.1のコンビニチェーン、セイコーマートだ。セイコーマートは道内に1083店舗(2022年5月末現在)を構えている。日本生産性本部の調査では、顧客満足度が最も高いコンビニに6年連続で選ばれるなど、道民だけでなく、全国の消費者から興味関心を集めている。レジ袋の有料化が当たり前になった今、なぜ無料で配り続けるのだろう。セイコーマートの丸谷智保会長に話を聞いた。

セイコーマートは、コンビニ各社の有料化の波に乗らず、顧客満足度の向上を目指すという判断をした。丸谷会長に顧客満足度を高める秘訣を聞くと、「お客さまには顔があります。セイコーマートに来るお客さまは、近所に住んでいたり、近所の駅を利用していたり、職場が近かったり、何度も繰り返し利用してくださる方が多いことが特徴です。だからこそ、1人のお客さまに嫌われたら、365人に嫌われたと思って日々過ごしています。店舗を出している以上、お客さまに満足して帰ってもらうのは当たり前ですから、そういった考え方を従業員にしっかり伝えています」とコメントした。

 このような考え方は、エコに関する取り組みにも生きている。セイコーマートでは、利便性を損なうことなく、プラスチックを削減する方針を掲げているという。新素材を採用したり、新たな製造方法を採用したりした場合、生産コストの増加が避けられないように感じるが、どのように対応しているのか。

 「セイコーマートでは、自分たちで総菜のパッケージ、容器を作っています。容器を作る工場では、フィルムを薄くしたり、紙製の容器を導入したり、使い捨てプラ削減のためにさまざまな取り組みを実施しています。業者から買っている場合は何もコントロールできませんが、自分たちで工場を持っているからこそ、値段を変えることなく、いろいろな挑戦ができています」(丸谷会長)

 他にも、自社で製造している「ゆでたまご」は、製造ラインで崩れてしまったものをタルタルソースや玉子サンドに転用している。年間5000万個製造しているうち、約5%は崩れてしまうが、転用することで100%利用することができているそうだ。自社で完結させようとしているからこそ、製造ラインを跨いで活用することが可能だという。

最終更新日:7/12(火)10:38 ITmedia ビジネスオンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6432346

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