クリスピーサンド好調 味転換

サクッとした食感が特徴の、ハーゲンダッツの「クリスピーサンド」。ハーゲンダッツのブランドといえば、カップ商品の存在感が強いが、クリスピーサンドの人気も根強い。日本で開発し、約20年前から販売しているロングセラー商品だ。



 今、そのクリスピーサンドの販売が好調に推移している。2020年1~10月の売り上げは前年同期比40%増。特に、若い女性の購入が伸びており、基幹商品の「キャラメル」フレーバーの10~20代女性の売り上げは、前年と比べて2倍になったという。

 その最も大きな要因は、キャラメルフレーバーのリニューアルを中心とした商品開発。18~19年はロングセラー商品ならではの課題に直面し、伸び悩んでいた。それを乗り越えることができたのは、“原点回帰”や“分かりやすさ”に注目し、戦略を転換したからだ。

なぜ商品リニューアルで売り上げを大きく伸ばせたのか。その理由は、リニューアルした基幹商品、今年発売した期間限定商品ともに、開発において“味”の方向性を大きく見直したからだ。

 基幹商品のキャラメルフレーバーは、前回のリニューアルが17年。当時の流行を参考に“大人っぽい”味に仕上げた「キャラメルクラシック」を展開してきた。甘さと苦味のバランスを考慮して開発したキャラメルアイスクリームを、ビターな味わいのキャラメルコーティングで包んだ、苦味をきかせた大人向けの味だった。

 今回のリニューアルでは、その味わいを大きく転換。「クリスピーサンドとしての原点に立ち返り、キャラメル本来のおいしさを追求した」(太田氏)。これまでよりも甘くてミルキーなキャラメルの味を感じられるアイスクリームを開発し、アイスクリームを包むキャラメルコーティングも甘い余韻の残る味にしている。商品名も「これがキャラメル味だ!」という思いを込めて、ストレートに「ザ・キャラメル」と打ち出した。

 また、パッケージも一新。14年から使用してきた濃い赤の背景から、明るい白を基調としたデザインに変更した。商品とともに、キャラメルの写真が象徴的に見えるようなパッケージになっている。

 「クリスピーサンドは、濃厚なアイスクリームが食べたくて購入する人が多い。アイスクリームの中でも、さっぱりというよりは濃厚さが求められる商品。それを追求すれば、さらに魅力を出せる」と太田氏は話す。ブランドの原点に立ち返って生み出したのが、“王道”のキャラメル味だった。

 その方針は、今年の期間限定商品でも同じだ。期間限定商品は近年、“難しい”傾向のフレーバーが多くなってしまっていた。

最終更新日:12/18(金)13:23 ITmedia ビジネスオンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6379712

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