消費電力の多い家電は 節電のコツ

「節電の夏」が迫ってきた。電力需給逼迫(ひっぱく)を受け、政府は家庭や企業に対して「生活や経済活動に支障がない範囲で、できる限りの節電」を要請する。期間は7月1日から3カ月間。各家庭では具体的に何をすればいいのだろうか。生活情報サイト「All About」で節約方法を発信している家事アドバイザー、矢野きくのさんに具体的な方法や心構えを聞いた。【聞き手・平塚裕介】



――政府の節電要請は7年ぶりです。家庭での節電で心がけることは何でしょうか。

 ◆今回は夏場の電力需給の逼迫に備えるための節電なので、電力消費が増える時間帯の行動を考えることが大切です。日中の気温が高くなる午前11時~午後2時と、夕食の調理をする午後5~8時に電力需要が増えます。この時間帯には、消費電力の多いドライヤーやアイロン、湯沸かしポット、電子レンジなどの熱を発する家電のほか、洗濯機、掃除機の使用には特に気を付けたいです。

――家電を使わずに部屋の暑さを和らげる方法はありますか。

 ◆カーテンやすだれ、よしずを使って直射日光を遮り、室温を上げないことが大切です。建物で対の方角にある窓を開けておくと、風通しがよくなります。日本の気候では南北の窓を開けて、北風、南風を部屋に取り込めるようにするとより効果的です。もちろん体調に無理のない範囲で取り組むことが大前提なので、室内の気温に気を付けながら適度にクーラーも使いましょう。

――クーラーと扇風機を併用する人も多いと思います。どのように使うと効果的ですか。

 ◆よく「扇風機の風でクーラーの冷気を部屋全体に送るのがいい」という話を聞きますが、注意が必要です。部屋に少人数しかいない場合にこの方法ではかえってクーラーの冷気を散らしてしまい、逆効果です。そこで、少人数の場合にはクーラーの送風口を人に向け、また、家具の配置などで難しい場合には、扇風機を使って冷気が人に向かうようにすることが大切です。

――他にもクーラーの使い方で気を付けるべきことはありますか。

 ◆空調機メーカーの調べなどによると、外出時間が日中に35分以内、夜に18分以内であれば、クーラーを「つけっぱなし」にした方がお得です。また、部屋が暑く感じられた時には、エアコンの室温設定を下げるよりも、風量を強めた方が体感温度が下がって涼しく感じられる上に、消費電力も抑えることができます。

――その他に日々の生活でできる節電方法は何ですか。

 ◆家族が一つの部屋で過ごす時間を増やして、使っていない部屋の照明を消したり、朝一番で冷たい飲み物を水筒に入れて、冷蔵庫の使用回数を減らしたりするなど、日常生活のちょっとした一工夫が省エネになります。

 他にも、例えばカレーを調理する際に、じゃがいもやにんじんを長時間下ゆですると、室内の温度が上がってクーラーの利きが悪くなり、IHコンロなら電気を多く消費してしまいます。電子レンジでの加熱で代用すると、節電になる上に家事の時短にもなるのでおすすめです。せっかくの一工夫が無駄にならないように、正しい知識で無理なく取り組んでほしいと思います。

最終更新日:6/26(日)19:56 毎日新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6430697

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