成田空港を運営する成田国際空港(NAA)とグループ会社のグリーンポート・エージェンシー(GPA)は5月21日早朝、滑走路に降りられるバスツアーを開催した。参加者は国内最長4000メートルを誇るA滑走路の一部を歩き、開港以来初となる滑走路横断を楽しんだ。
ツアーは637人の中から当選した1人参加を含めた21組36人が参加。抽選倍率は17.7倍となった。天井のない日の丸自動車興業の2階建て観光バス「スカイバス」に乗車してA滑走路(RWY16R/34L)北から南へ走行後、午前4時30分ごろの日の出に合わせバスを降り、A滑走路の南端約500メートルを徒歩で移動した。
参加者は滑走路に埋め込まれた誘導灯や水はけ用に刻まれた溝、着陸時にできたタイヤ痕などを撮影したり、触ったりしたほか、寝転ぶなどして楽しんだ。
その後、滑走路脇の着陸帯に移動し、午前6時の滑走路運用開始に合わせ着陸機を見学。A滑走路の着陸一番機となったタイ国際航空(THA/TG)のバンコク発TG640便(ボーイング777-200ER型機、登録記号HS-TJV)や、後続の全日本空輸(ANA/NH)のハノイ発NH898便(787-9、JA932A)、フェデックス・エクスプレス(FDX/FX)のオークランド発FX5319便(777F、N891FD)の着陸を間近で体感した。
今回のツアーは当初、2021年9月の開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で中止。今回に延期となった。ツアーを担当するNAAエアライン営業部の浅井俊隆部長は17倍以上の抽選倍率となったことから、「空港そのものを楽しみたい、というニーズの表れ」と手応えを感じた様子で述べた。今回の企画は運用開始前に開催したことから、落とし物の有無など、終了後に追加の滑走路チェックが必要となる。「頻繁な開催は難しいが、ニーズがあることが分かった」(浅井部長)ことから、次回以降の継続を検討するとした。
成田空港は1978年5月20日に開港。今年で開港44周年を迎えた。
最終更新日:5/21(土)8:34 Aviation Wire