路上でたたずむ「ウーバーイーツ」の配達員たち。何をしているのか聞いてみると、「“地蔵”状態ですね」「仕事が来ないので、とどまって待っていることを“地蔵”っていう風に配達員の中では言っている」という答えが返ってくる。
注文を受けるまでじっと動かず、ひたすら待機している様子が地蔵に似ていることから「ウーバー地蔵」と呼ばれている。そのウーバー地蔵による迷惑行為が問題視されるようになっている。
吸い殻をポイ捨てし、配達物を取りに向かう男性。立ち去った跡にはいくつもの吸い殻が捨てられていた。周辺では他にも、車道側に待機する何人もの配達員の姿が。
話を聞いていると、スマホには早速注文がきたことを知らせる表示が。商品を受け取ってから配達先までの道のりをカメラも付いていく。冷たい雨が降る中、自転車をこぎ続けること20分。ようやく到着し、小走りで商品を届ける。
気になる報酬は、「距離に応じての売り上げなので。例えば、今配達したのが2.64kmで492円。その前の配達は4km以上あったので600円台だった」とのこと。お昼時は注文が多く入るため、自身の昼食は我慢して配達しているという。3カ月で15kgも痩せたそうだ。
一方で“副作用”があるとし、「一部だと思うが、路上でタバコを吸ったり、ゴミをポイ捨てしたりという人が出てきている。ただ、これを単に配達員個人のモラルの問題で終わらせてしまっては問題は改善しない。これだけ大きな企業で、配達員の人たちはみな看板を背負っているわけなので、ウーバーの社会的責任も考えないといけない」と指摘した。
具体的には待機せざるを得ない状況への対処をあげ、「ウーバー地蔵をしている人には、地蔵にならざるを得ない事情がある。たとえば街中に待機場所を用意するとか、飲食店内で待機できるよう、ウーバーがお店側にお金を払うといったことができないか。また、事前に研修なり指導をして、禁止事項を周知することも大切だ。個人事業主なので面接や履歴書もなくすぐ働けるというのが売りなのかもしれないが、一定程度の人材の質の確保も事業者としての責任だと思う」とした。
最終更新日:12/9(水)11:41 ABEMA TIMES