政府の観光支援策「Go To トラベル」事業を巡り、地域共通クーポンの「電子クーポン」が各地で不正取得された問題で、観光庁がクーポン取得者の本人確認を強化した先月25日以降も不正が起きていることがわかった。旅行会社からは、電子クーポンから紙のクーポンに切り替える動きが出ている。
地域共通クーポンは紙と電子の2種類あり、配布が始まった10月以降、ホテルへのチェックイン前に電子クーポンを受け取って宿泊を無断キャンセルする不正が横行。観光庁は先月25日、取得者の携帯電話にショートメッセージサービス(SMS)で認証番号を送り、入力させて本人確認を行う仕組みを導入した。
しかし、宿泊予約サイト「ゆこゆこ」によると、翌26日にあった兵庫県の宿泊施設への予約で、5泊するはずだった客4人が無断キャンセル。電子クーポン約7万円分が発行され、大阪市内の家電量販店で不正に使用されていた。
同様の無断キャンセルは12月6日までに他に2件あり、電子クーポン計約5万円分が詐取された。さらに、クーポン発行前に予約者に電話するなどして不正取得を食い止めたケースも32件あった。同サイトは12月中旬から電子クーポンの発行をやめ、紙クーポンのみを発行することにした。
このほか、電子クーポンのみを発行していた「るるぶトラベル」や「Yahoo!トラベル」も、不正対策として紙クーポンへの切り替えを検討している。観光庁は取材に「不正の有無は答えられないが、今後も随時、不正対策を行っていく」としている。
最終更新日:12/8(火)12:17 読売新聞オンライン