業務スーパー 新規出店続く訳

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外出や出張の自粛、通勤の見直しで、これまで手堅いといわれた鉄道会社のような業種も打撃を受けている。



 一方、在宅勤務の恩恵を受けたのが、主に近隣の顧客を相手にするスーパーだ。日本チェーンストア協会が発表した2020年8月の「チェーンストア販売統計」(会員企業)は前年同月比3.3%増(既存店ベース)となった。食品関係が好調で、衣料品は苦戦した。

 こんなご時世に、新店舗を続々オープンさせる小売りブランドもある。

(1)の人気商品を神戸物産に聞いた。

 「国内製造では、460円(税別、以下同)で販売している『徳用ウインナー』1kgが人気です。当社グループの養鶏場で育てた鶏を原料に使用しており、原料の生産から加工、販売までグループで一貫して行う代表的な商品です。骨回りの肉まで余すことなく使用することで、品質を担保しながら価格を下げられています」

 経営企画部IR・広報課長の花房篤史さんはこう説明し、続ける。

 「1本で約1.8斤ある『天然酵母食パン』も人気です。高単価な食パンと比べても遜色のない品質で、価格は228円なので非常に人気の商品です。もともと岐阜のパン工場で製造しており、人気のため埼玉にも工場を増設しました。それでも供給が足りなくなり、岐阜に建てた新工場で9月から生産も始めています」

消費者の感想は分かれ、「買い物をする楽しさが少ない」と来店頻度を減らす女性もいれば、「意外な商品が見つかるので面白い」と話す男性もいた。

 「自宅の近くに2店舗ありますが、魚介類が充実している店、そうでない店、それぞれを目的によって使い分けます。価格は両店ともに安いので重宝しています」(同じ男性)

 ちなみに全店での平均客単価は推定1200~1300円と聞く。

 いろんな意味で業務スーパーらしい商品が「紙パックに入ったデザートシリーズ」だ。

「当社から『業務スーパー』店舗への商品出荷実績は全国平均で、7月が対前年比114.3%、8月が113.3%。2019年2月からずっと2ケタ増となっています」(花房さん)

 前述したように常連客が多く、集客力の高さと客層も安定している。東京都内の住宅街にある店舗には、低価格訴求のスーパーには異質な高級外車で訪れるお客も目立つ。さまざまな業態を手がけるオーナーにとっても、業務スーパーは魅力的なブランドなのだろう。

最終更新日:10/24(土)9:21 東洋経済オンライン

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6374574

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