コロナ禍でヨーグルトがよく売れ、グミやガムは売れなくなったのはなぜ? 菓子・乳業大手、明治ホールディングスの川村和夫社長が、売り上げを通して見た消費の変化とは――。
コロナ禍で外食しなくなった分、家庭での「内食」が増えているので、食品への需要全体は下がっていません。ヨーグルトのように、健康志向の高まりで例年より売り上げを伸ばした製品もあります。
驚いたのはスポーツプロテインです。(コロナ危機が深刻になった)4、5月は大幅に落ち込みましたが、6月以降、一気に戻りました。体を動かしたい欲求があったのでしょう。
クリスマスがある12月は、菓子メーカーにとって一番の需要期です。菓子用のバターや生クリームを製造し、提供する立場としても期待しています。幸い、生クリームを使うケーキなどの需要はかなり戻ってきています。おうちに少し早く帰って、家庭でケーキやお菓子を楽しんでいただければと期待しています。
その半面、テレワークの普及で、オフィス街での菓子の売り上げは2、3割のレベルで落ちています。特にグミやガムといった製品です。マスクをしていることもあって、電車や職場で口をくちゃくちゃさせていることが気になるのかもしれません。
チョコレートなど他の商品も、これまではコンビニなどで見る小容量のものがよく売れていましたが、オフィス需要が減ったため、明らかに売れていません。
代わりに、大袋の中で一つ一つ個別に包装されているものが売れています。大袋は、さっとかごに入れられるので素早く買い物できますし、個別包装は直前まで手を触れずに食べられるので、衛生への意識も影響しているようです。
最終更新日:12/2(水)20:44 朝日新聞デジタル