チョコ需要増 各社の産地支援

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、緊急事態宣言、外出自粛など社会不安の増大にチョコレートが一定の役割を果たした。学校休校要請などで発生した買いだめ時は、即席麺、冷凍食品など食事としての需要が高まった。外出自粛が長期化すると、チョコレートの需要が増加した。嗜好(しこう)性で人々に癒やしを提供できるチョコだが、原料のカカオに焦点を当てると、恒久的な原料調達には不安がある。

カカオ産地の現状は、世界全体のチョコ消費量は増加傾向と需要は拡大傾向にある。一方、カカオ豆の生産地域や農家を取り巻く環境は、森林破壊、児童労働、栽培技術の周知不足などの課題が存在する。日本の菓子メーカーも課題解決に着手している。

この課題にいち早く取り組んだのが明治だ。同社の持続可能なカカオ調達の柱となるのは、2006年に開始したカカオ豆生産農家を支援する「メイジ・カカオ・サポート」(MCS)だ。ガーナ、ベネズエラ、エクアドル、ドミニカ共和国、ブラジル、ペルー、メキシコ、ベトナム、マダガスカルなどカカオ豆の生産地を同社社員が訪問し、カカオ豆生産農家の「農法支援」と、カカオ豆の生産地域の住民に対する「生活支援」を行う。

農法支援では、カカオ豆の発酵法の指導、収穫量を増やす栽培方法、病虫害の管理方法などの勉強会の開催や栽培に必要な苗木を供給するための苗木センターを開設。生活支援では、井戸の整備・学校備品の寄贈など実施。MCSにより同社は、良質なカカオ豆の安定供給を、農家は生活の安定が得られるなど、Win―Winの関係を構築。2020年3月には、農家支援を実施した地域で生産されたカカオ豆(サステナブルカカオ豆)の調達比率を、2019年度の約30%から、2026年度までに100%を目指すと発表。

スイスのグローバルメーカーのバリーカレボー社は2016年、2025年までにサステナブルなチョコレートを標準にするプラン「フォーエバーチョコレート」を開始。サプライチェーンに含まれる50万人以上の農家の貧困脱出できるよう、サプライチェーンから児童労働を根絶させることに加え、排出量よりも多くの量の二酸化炭素を吸収する「カーボンポジティブ」な100%サステナブル原料使用にする。

また、非営利組織ココアホライズン財団が展開するココアホライズンプログラムを展開。森永製菓は、同社と協働するなどして2025年度までに100%持続可能なカカオ原料に変更する。有楽製菓も、世界の子どもたちを笑顔にするために児童労働撤廃に取り組むため同社の協働。2025年までにカカオ原料を、児童労働撤廃に取り組んでいる原料への変更を目指す。

最終更新日:11/29(日)12:00 日本食糧新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6377892

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