一言で表せば「やられた」です――。
小田急電鉄が2022年春から実施する小児運賃「全区間一律50円」をどう思うか。鉄道各社の広報やIR担当者に尋ねてみるとさまざまな反応があったが、もっとも印象に残ったのが、冒頭の一言だ。「鉄道マンなら同様のアイデアを一度は考えたことがあるはず」という。
だが、前例のない試みだけに検討の俎上に載ることもなかったと各社とも口をそろえる。いわばコロンブスの卵的な施策が生まれた背景には何があったのか。
もっとも小田急側は、年間2.5億円の減収をさらに減らせる可能性があるという。なぜか。
小田急は通常1日1000円の子供用全線フリー乗車券を100円で販売するイベントを2019年、2020年に実施している。このとき行ったアンケート調査によって、子供1人に対して少なくとも大人1人が小田急線を利用し、7割弱の人がフリー切符を100円にしたことがきっかけで外出したということがわかった。
さらに、出かけた人のうち9割以上の人が沿線で買い物をして、そのうち7割弱が小田急の施設を利用しているという調査結果も得られた。
最終更新日:11/22(月)4:31 東洋経済オンライン