JAVAを目にする機会が減ってしまった……と感じるのは気のせいだろうか。
SCRIPTではない。TEAのほうである。
「シンビーノ ジャワティ ストレート」(以降、ジャワティと表記)が鳴り物入りでデビューを飾ったのは、平成が幕を開けた1989年。
ジュースでもなく、日本茶や烏龍茶でもない、紅茶に近いようでいてもっと独特な味わい。そんな前代未聞のテイスト以上に「どんな食事にも合う」新しさも手伝って、またたくまにヒット商品となった。
──ジャワティの冠に付いている「シンビーノ」は、そこからきてたんですね。
辻さん:はい。この商品を起点として「どんな料理にも合う無糖のテーブルドリンクとはどんなものか」という研究が始まりました。転機になったのが1988年です。この年、当時の大塚食品社長・大塚明彦がアメリカのカリフォルニア州に設立した研究所の竣工式に立ち会った際、フランス料理に無糖のアイスティが出てきて「これは料理に合う!」と感激したそうなんです。そこをきっかけに開発が始まりました。
──で翌年にはもうジャワティ発売と。仕事が早い!
辻さん:さすがに急ピッチすぎて担当者はてんてこまいだったみたいです(笑)。
──でも当時の日本だとすでにアイスティ自体は普及していたように思いますが。
辻さん:確かに当時の日本ではすでにアイスティは十分普及していましたが、ほとんどの市販品は甘味があってフレーバーが強かったんですね。レストランでアイスティを注文すると「食後にしますか?」と聞かれることはあっても、食事と一緒に飲む習慣はなかったと思います。
──なるほど。ネーミングの由来を尋ねるまでもないですね。
辻さん:紅茶っていれすぎちゃうとつい渋みが出ちゃって苦くなりがちなのですが、そこは渋みを出さない製法でなおかつしっかりした味わいにすることで「どんな食事にも合う」飲み物に仕上げました。
このしっかりした豊かな味わいは、ジャワティ特有のポリフェノールによるもので、ときどき「ほんのり甘いので砂糖が入ってるのかと思った」というご意見をいただくのは、そのためかもしれません。
辻さん:最近ですと、ベーカリーも増えました。というのも、こだわりのあるシェフやパン職人さんには、フレーバーが強い飲料を好まれない方もいらっしゃいます。もちろん「パンに合う」という理由もあるんですが。
最終更新日:11/24(火)15:13 メシ通