JR東 新幹線で初の自動運転試験

新幹線のE7系車両を使ったJR東日本の自動運転試験が17日未明、報道各社に公開された。自動運転は在来線の一部ですでに実用化されているが、新幹線については開発段階にある。新幹線の営業用車両を使った自動運転の試験は全国初とみられる。実用化すれば、運転士不足の解消に役立つと期待されている。



 この日の試験は16日の営業運転終了後、17日の営業運転が始まるまでの時間を利用して実施した。自動列車運転装置(ATO)を搭載し、安全確認を済ませた12両編成の回送車両が上越新幹線新潟駅―新潟新幹線車両センター間(約5キロ)を3往復、走行した。

 試験車両は報道関係者約20人を乗せて午前1時50分に出発。加速と減速を繰り返しながら10~100キロ程度の速度で走行し、約5キロの区間を片道10分程度かけて行き来した。JR東の担当者は、通常運転時と同程度とされる、決められた停止位置から誤差50センチ以内に停車できるかどうかなどを確認。運転席には不測の事態に備えて運転士が乗車したが、自動運転中にハンドル操作をする機会はなかった。

 試験は10月下旬から実施していた。JR東運輸車両部次世代輸送システム推進センターの鈴木康明次長は「良好な結果を得た。試験自体は順調」と手応えを口にした。乗り心地については「加速のスムーズさは普通の運転士(による運転)とほとんど遜色ないが、営業列車であればより繊細な停止が要求されると感じた」と指摘。その上で「(将来的に)実用化されれば、車両のフレキシブルな運用や省エネにつながり、運転免許のない係員が列車を運行することで柔軟な働き方も期待できる」と述べた。

 JR東は将来的に労働力不足が見込まれることやヒューマンエラー(人為的な失敗)を抑制したいことから、運転士のいない状態で運行する「ドライバレス運転の実現」を目標として掲げる。ただ、新幹線の営業用車両を使った自動運転の実用化については、具体的な時期は固まっていない。

 JR東の在来線では、常磐線のE233系が綾瀬―取手間の各駅停車で今年3月から自動運転による営業運転を開始した。山手線でも2018年12月~19年1月に試験が実施されている。【露木陽介、木下翔太郎】

最終更新日:11/17(水)11:07 毎日新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6409962

その他の新着トピック